質問1 完全帰国の理由
どこかで、北野様は、このままではお子さん(方?)が兵役に取られそうなので、思い切って帰ってきた、とお伺い致したことがあります。
回答1
私は、1990年から2018年までモスクワに住んでいました。完全帰国を決めた直接の理由は、ネット規制が強化され、仕事に支障がではじめたことです。たとえば、アマゾンやまぐまぐニュースなどが、一時見られなくなりました。
完全帰国するにあたって、いろいろ考えました。なんといっても28年モスクワに住んでいたので、簡単な決断ではなかったのです。
私は、ロシアの未来と、私の家族の未来を、予測してみました。ロシアの未来、結論は「真っ黒」でした。
国が悪い方向にいけば、当然私の家族の未来も明るい方向にはいかないでしょう。「家族の未来」を考えたときに、「息子が将来徴兵される」というのがありました。ロシアの男性は、1年間徴兵されることになっています。
そして、ロシアはソ連崩壊後、
- 第1次チェチェン戦争
- 第2次チェチェン戦争
- ロシア―グルジア戦争
- クリミア併合
- シリア内戦介入
- ウクライナ侵略(これは帰国後に起こりましたが)
と、絶え間なく戦争をしている国です。
そして、今回のウクライナ戦争では、徴兵されたばかりの若者が戦場に送られていることが明らかになっています。私は、「息子が徴兵されてロシアのために戦い死ぬのは嫌だ」と思いました。それが、完全帰国を決めた、「理由の一つ」です。ですが、メインの理由は、「ネット規制」です。
質問2 北野の妻について
北野様の奥様はロシアの方なのでしょうか。
回答2
妻の父親はウクライナ人、母親はロシア人です。ですが、生まれた時は、ウクライナもロシアもソ連の一部でした。それで、「ウクライナとロシアのハーフ」という意識は、もったことがないそうです。
現在は、父親の国と母親の国が戦争をしているということで、メンタル的にかなりキツイようです。
質問3 北野の子供達の国籍について
でも、日本人である北野様のお子さんは、日本の戸籍法の血統主義から言うと、日本人のはずです。それなのに、兵役が課されるのでしょうか。
回答3
私には、11歳の娘と7歳の息子がいます。彼らはモスクワで生まれました。現状は、日本とロシアの二重国籍です。しかし、成人する際、日本国籍かロシア国籍を選択しなければなりません。これは、日本政府が二重国籍を認めていないためです(一方、ロシア政府は二重国籍を認めていて、あちこちに二重国籍の人がいます)。
もし私がモスクワに住みつづけていれば、自然な流れで、彼らが「ロシア国籍」を選択する可能性が高まったでしょう。なんといっても母親はロシア国籍で、生活圏がモスクワにあるのですから。そうなると、当然徴兵の対象になります。
ちなみに二重国籍の場合でも、ロシアに住んでいれば徴兵の対象になります。