モスクワ在住歴28年の日本人が明かす、ロシアの「徴兵逃れ」事情

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1990年のモスクワ留学以来住み続けたロシアから2018年に帰国した、国際関係ジャーナリストの北野幸伯さん。なぜ北野さんは28年間在住したモスクワからの、ロシア国籍の夫人と二人の子供を伴う「完全帰国」の道を選んだのでしょうか。今回の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』では北野さんが、読者からの質問に答える形でその理由を明らかにするとともに、ロシアの「徴兵・動員逃れ」の実態を紹介しています。

私がモスクワに残っていたら子供は徴兵されていたのか?

今日は、読者Aさんからの質問にお答えします。

【以下、Aさんからの質問メール】

こんにちは。Aと申します。「ロシア経済政治ジャーナル」を毎回、楽しんで読んでいる者です。お聞き致したいことがあります。

 

私への返事、というよりも、皆聞きたいのではないかと思いますので、今度、テーマとして取り上げてくださると嬉しいです。この間の動員令との関係もあり、皆、興味があると思います。あるいは、すでに、どこかで取り上げているのなら、どこにあるのか、教えていただきたいです。よろしくお願い致します。

 

以下が、質問です。

 

どこかで、北野様は、このままではお子さん(方?)が兵役に取られそうなので、思い切って帰ってきた、とお伺い致したことがあります。

 

北野様の奥様はロシアの方なのでしょうか。でも、日本人である北野様のお子さんは、日本の戸籍法の血統主義から言うと、日本人のはずです。それなのに、兵役が課されるのでしょうか。

 

兵役は、国民皆兵だけど、逃れる方法は多々あると聞いたことがあります。賄賂とか、病気を装うとか、学生、特に、特定の分野の学生は免除、あるいは、逆に特定の分野の学生は優遇措置の上、課されるとか、いろいろ、あるはずです。兵役のこともぜひ、取り上げていただきたいです。

 

スノーデンさんなどは、どうなるのでしょうね。奥様はアメリカ人とお聞きしています。ご本人はロシアの国籍を取得したとか。アメリカは、国籍は、生地主義なので、奥様が出国してアメリカで産まない限り、お子さんはロシアの国籍になってしまいますよね。まぁ、当然、出国なさって、ご出産なるはずではありますが。こういったことも、触れていただきたいです。だってスノーデンさんは、アメリカには帰れないでしょうから、お子さんが男の子なら、つまり、兵役に取られますよね。いくらなんでも、ウクライナ戦争は、お子さんのご成人まで続かないでしょうけれど。それとも、スノーデンさんは、ロシアのパスポートを持ち、こっそりと、出国されたのでしょうか。

 

よろしくお願い致します。

いろいろ質問があるので、順番にお答えしていきます。

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