受給者が死亡した場合に発生する「未払いの年金」は誰がもらえるのか?

Couple of elderly walking the road surrounded by money
 

じゃあ甥っ子たちに何が出るのかというと、A男さんが受け取れなかった障害基礎年金の未支給年金です。

未支給年金は3親等以内の親族まで受給する事が可能なので、生計を同じくしていた甥っ子2人が請求して受け取る事が出来ます。

A男さんが死亡したのが12月25日なので、12月分の1ヶ月分の年金を受け取っていません。10月分と11月分は死亡前の12月15日に既に振り込まれていたので、これは未支給年金ではないです。

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※ 参考

振込日前である12月14日までの死亡だと未支給年金は12月分だけでなく10月分11月分も未支給年金になりますが、12月15日の年金振り込み当日の死亡は10月分と11月分は未支給年金にはならない。

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つまり、12月分の1ヶ月分は未支給年金という事になります。

未支給年金額は障害基礎年金1級81,020円+障害年金生活者支援給付金1級6,275円=87,295円です。

87,295円を甥っ子2人(BさんとCさん)の内のBさんが請求し、そのBさんに全額振り込まれました。

「その一人がした請求は全員のために、その全額について行ったものとみなす」事になっています。

請求者が複数いるなら、誰か1人が請求したらその全額はもう全員の請求者に支給したとみなすって事ですね。

支払った未支給年金は請求者の皆さんで好きに分けてくださいという事になります(普通なら仲良く半分こするんでしょうけどね…^^;)。

ただ、年金法ではないですが、民法だと複数の受け取る人(債権者)がいるんなら、それぞれ等しい割合で権利を持ってるとされてるので平等に均等に分けるべきでしょうね。

未支給年金は請求後、約3~4ヶ月後に請求者の指定口座に振り込まれます(結構時間がかかる)。

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※ 参考

甥っ子(3親等以内の親族)まで未支給年金受給できるようになったのは平成26年4月改正から。それまでは兄弟姉妹までの受給でした。

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(メルマガ『事例と仕組みから学ぶ公的年金講座』2022年11月2日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)

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佐賀県出身。1979年生まれ。佐賀大学経済学部卒業。民間企業に勤務しながら、2009年社会保険労務士試験合格。
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