北朝鮮と韓国の南北関係は「最大の危機」と言って良いほどに悪化しています。ここにきて北朝鮮がとった作戦は「嘘による撹乱」とのことですが、それは具体的にどのようなものなのでしょうか? 韓国在住歴30年を超える日本人著者が発行するメルマガ『 キムチパワー 』で、その内容について詳しく解説しています。
北の陽動作戦か
北朝鮮は11月7日、「今月2日に蔚山沖の公海に2発の巡航ミサイルを発射した」と主張した。当時、北朝鮮軍の東海(日本海)NLL以南弾道ミサイル挑発に対抗して、韓国空軍が空対地ミサイル3発をNLL以北に発射すると、北朝鮮が再び東海沖に巡航ミサイルを発射したということだ。
これに対して合同参謀本部は「北朝鮮の主張は事実と異なる」とした。北朝鮮の主張のように韓国の防空網は破られていないということ。北朝鮮が主張する巡航ミサイルが韓米の探知資産(探知戦力)にかかった形跡はないという意味だ。
北朝鮮総参謀部はこの日、労働新聞で「敵(韓国軍)が空対地ミサイルでわれわれ北朝鮮側の公海上に対応射撃するという暴挙をした」とし「咸鏡北道から590.5キロの射程距離で南朝鮮蔚山市前の80キロ付近の公海に2発の巡航ミサイルで報復打撃をした」と主張した。それと共に蔚山と日本の間の公海に印をつけた座標を公開し、落弾地点だと説明した。当時、韓国軍は北朝鮮の巡航ミサイル発射事実を公開しなかったが、北朝鮮の主張が事実なら、韓国防空網に大きな穴が開いたという意味になる。
一方、合同参謀本部は同日、「韓米監視偵察資産の探知および分析結果によると、北朝鮮の主張は事実と異なる」とし、「今月2日、蔚山沖に落弾した北朝鮮巡航ミサイルはない」と明らかにした。
軍関係者は「今月2日に北朝鮮が4回にわたって弾道ミサイルを発射し、100発余りの砲撃など各種挑発をしたことは確認された」とし「巡航ミサイルは発射自体が探知されなかった」と述べた。しかし、軍の一部では「巡航ミサイルは低高度飛行が可能でレーダーを避けやすいだけに、韓国軍が北朝鮮巡航ミサイルを逃した可能性もある」という話が出ている。巡航ミサイルはドローンのように操縦が可能な場合もあるため、東海(日本海)上を遠回りして韓国側の公海に落ちた可能性もあるという推定も提起された。









