北朝鮮がこの日、写真を公開した「火星15型」推定ミサイルも撹乱戦術である可能性が高い。3日、北朝鮮が発射したのは火星15型ではなく火星17型だと韓国軍は発表していた。「最大高度1920kmで760kmを飛んで異常飛行をした」ということだ。ただ、分離までは成功したが、正常飛行には失敗したという判断だ。
ところが北朝鮮は同日、火星17型などICBM発射の事実自体には一切言及せず、火星15型に酷似したミサイル写真とともに「敵の作戦指揮体系を麻痺させる弾道ミサイルを試験発射した」とした。打ち上げの失敗を隠すために、他の写真を挿入し、もっともらしい説明を付けたはずだという分析だ。
韓国国防安保フォーラムのシン・ジョンウ専門研究委員は「高度2,000km近い上空でEMP試験をしたというのは話にならない」と話す。軍関係者も「北朝鮮の公開報道に虚偽の内容が含まれた可能性がある」と話した。
ただ、事実かどうかは別として、北朝鮮が韓国最大の産業都市である蔚山沖の打撃を公開言及しただけに、今後これと類似した挑発を試みる恐れがあるという憂慮も出てきた。実際、今月2日、北朝鮮の弾道ミサイルが分断以来初めてNLLを越えて鬱陵島(ウルルンド)に向かって飛んできて、近くの水域に落ちて空襲警報が鳴るなど、大きな混乱が起きた。
こうした中、合同参謀本部は「今月2日に北朝鮮が発射した弾道ミサイルの残骸と推定される物体を今月6日に無人水中探索機で引き揚げ精密分析している」と明らかにした。北朝鮮がNLLを越えて束草(ソクチョ)沖に撃ったミサイルの残骸を回収したということだ。とにもかくにも南北関係は今がユギオ(朝鮮戦争)以来最大の危機と言ってもいい状態となっている。
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