バイデン大統領が放った「中国への一言」は北朝鮮の何を変えるか?

Washington DC, United States, US President Joe Biden in white houseWashington DC, United States, US President Joe Biden in white house
 

バイデン大統領が北朝鮮問題の解決に「中国が関与すべきだ」と圧力をかけたことで、北朝鮮が企む“核ゲーム”が複雑化しているようです。この詳しい内容について韓国在住歴30年を超える日本人著者が発行するメルマガ『 キムチパワー 』が解説しています。    

複雑になった核ゲームの行方

バイデン米大統領が中国の習近平国家主席に中国が北朝鮮問題の解決に関与するよう圧力をかけ、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の核ゲームの計算が複雑になった。バイデン大統領は13日、同盟国の韓日と6年7か月ぶりに3か国協議を開いたのに続き、14日の米中首脳会談で「北朝鮮が責任を持って行動するよう促すべきだ」と習主席に直接要求した。このため、専門家の間では、金正恩が7回目の核実験実行命令を簡単に下すことができなくなったという分析が出ている。

米ホワイトハウスは14日、米中首脳会談直後の発表文で、「バイデン大統領は北朝鮮の挑発行為に憂慮を示し、国際社会のすべての構成員は北朝鮮が責任ある行動を取るよう促すべきだ」と発表した。これについて外交関係者は、「中国に北朝鮮問題解決に責任感を持ってほしいと注文した」と解釈している。

しかし、中国側の公式発表文では、両首脳間の北朝鮮核関連論議事項が一文字もなかった。ただし、中国の立場では台湾・人権・経済問題など国益がかかったイシューを巡り米国と議論を続けなければならないため米国の要求を無視しにくくなった状況だ。

米国が中国の役割を強調した背景には、中国が北朝鮮の7回目の核実験を阻止できる唯一の選択肢だという判断があった。2010年、米国は北朝鮮が韓国の哨戒艦「天安(チョナン)」艦を撃沈させしかも延坪島(ヨンピョンド)砲撃を加えた局面で、中国に対し北朝鮮への圧力を要求したところ、その直後北朝鮮はしばらく静かな姿勢を示していたという経緯もある。

原州・漢拏(ハンラ)大学の鄭大鎮(チョン・デジン)教授は、「米国のこのような動きは、北朝鮮が核実験を強行する場合、中国に一種の責任論を提起するという意図とみられる」とし、「中国の立場からも北朝鮮の核実験のような高強度軍事挑発は、米国と解決しなければならない懸案がいっぱいある状況で外交的負担として作用するだろう」と述べた。

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