北朝鮮としても、中国が7回目の核実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)試験発射に対する憂慮を表明するなら、無視できない側面がある。中国が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡散局面で防疫物品を支援したのはもちろん、国連安全保障理事会でも最近ミサイル挑発に対する北朝鮮糾弾声明や追加対北朝鮮制裁が出ないように北朝鮮の後ろ盾の役割を果たしているという点からだ。
だからといって、北朝鮮が「強対強」対決局面を作っておいて、7回目の核実験やICBM試験発射を放棄することは難しい側面もある。統一研究院のオ・ギョンソプ研究委員は「最高指導者が公式席上で『核武力の質量的強化』に言及しただけに行動に移すしかないだろう」とし「金正恩の判断により核実験をしたりICBMを追加で発射する可能性は依然としてある」と述べた。政府当局者も「北朝鮮は核実験の準備を終え、政治的な決定によっていつでも敢行できる状況だ」と明らかにした。
ただ、一部の専門家らは、北朝鮮が中国の意中を察し、国際情勢を見守りながら、当分の間長考に入る可能性があるという観測を提起している。北朝鮮が7回目の核実験を一定期間先送りする可能性があるという話だ。
実際、国家情報院が9月の国会情報委員会で北朝鮮の7回目の核実験の可能性が高いと指摘した「10月末~11月初め」が過ぎた。国情院は今年5月にも「北朝鮮の核実験準備が終わりタイミングだけを見ている」と明らかにしていた。一部からは、情報当局が今年二度にわたって北朝鮮の核実験に対する誤警報を発令したという指摘が出ている理由だ。
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