仕事を振らないことは悪循環のスパイラル
部下に仕事を振ること、部下に仕事を教えることは、最初は手間がかります。しかし部下がその仕事をできるようになることで、あなたは、リーダーとして一つ上の業務に集中することができるのです。仕事がデキるリーダーは部下に仕事を教え、権限も委譲していきます。委譲しないと、その業務をいつまでも自分が行うことになり、そのポジションから上へといくことができないからです。
一方、仕事のデキないリーダーは、仕事を自分で抱え込むので毎日残業し、仕事を振ってもらえない部下はモチベーションが下がり、忙しい自分はいつまでも一つ上の業務ができない。悪循環のスパイラルに陥ってしまうのです。
そもそもリーダーは、部下より一歩高い俯瞰(ふかん)的な視点で仕事をしていかなくてはなりません。たとえプレイングマネージャーだとしても、できることは部下に振り、マネジメントの方に力を注いでいくようにしていきましょう。
部下に仕事を振ることが、あなたと会社全体の利益につながる
自転車に初めて乗る練習をしたときは、傷だらけになるけど、上達すれば歩くのより格段と速く移動できます。パソコンを始めたときは、1本ずつの指でキーボードを叩き、大変だったけど、上達すれば手書きより格段と速く仕上がります。部下に初めて仕事を任せたときは……そうなんです。最初は遅くてミスがあっても、最終的には、振ること、任せることで、仕事が格段と速くなるのです。
仮に「部下育成」が人事評価に直接影響しない評価制度でも、あなたのグループが高いパフォーマンスを見せれば、評価は自ずと上がっていきます。部下に仕事を振り、次世代のリーダーを育てることが、あなたを含め会社全体の利益につながるのです。
仕事がデキるリーダーは、部下に仕事を振ります。権限委譲をすることで、一歩上の業務に集中でき、組織全体が底上げされ、仕事が速いチームになるのです。
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