文鮮明夫妻“世界支配の夢”に利用された「日本会議」の自業自得。創建1250年の神社宮司が斬る保守派の大罪

2022.12.06
 

統一教会「世界支配の夢」に利用された民族派・右翼の面々

さて、統一教会は、文鮮明によって創始されたが、文は生まれ故郷の北朝鮮で布教を開始し、北の共産党政権によって逮捕投獄され、朝鮮戦争で解放され、釜山に赴き教義を確立、1954年に京城で統一教会を設立、反共産主義と文鮮明夫妻を父母とする家族的宗教共同体のみが幸福な社会を実現すると説く。

また、聖書のアダムとイブの故事に倣ってアダムは韓国、イブは日本であると説き、日本は常に韓国の下位にあって韓国に仕えなければならないという意識を日本人信者に植え付け、あらゆる面で奉仕させることを特色とする。

つまり、日本人の信者は、物心両面で、韓国を支えなければならない。そして日本で調達された莫大な資金が、韓国や米国、日本その他の国々の政権に統一教会が影響力を及ぼすために利用された。文鮮明はまさしく、宗教を道具とした世界支配を夢見ていたのである。

元号法制化運動を契機として民族派の組織結集が模索され、1981年「日本を守る国民会議」が設立されたが、すでにその当時から原理の青年たちは多数この会に所属する国会や地方議会議員の秘書や事務局に入り込んでいた。一方で60年代から70年にかけての左翼運動の興隆を脅威と見做した神社本庁や佛所護念会、生長の家、念法眞教、モラロジーなどのトップを中心とした親睦交流組織として1974年に「日本を守る会」が成立していたので、1997年にこの二つが合同して、今の「日本会議」が結成された。この二つの事務局は共に椛島たちが主導して運営していたので、合同は自然の成り行きであった。

結局、統一教会は、反共産主義を表に出すことによって、民族派に歓迎され、その使いやすさによって切り離せない存在となっていった。右翼の誰もが、その真の狙いに気がつくことはなく、また、その反社会性は1980年代には既に日本で大問題となっていったのであるが、それに対しては目を瞑ったのである。そして、文鮮明は1991年の冷戦終了後には、朝鮮民族の統一を狙って北朝鮮の金一族に近寄り、莫大な献金を通じて、影響力を持とうとしたのであるが、日本の政治家や民族派はそれにも目を瞑ったのである。

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