韓国にナメられた日本の「売国」政策。統一教会問題が炙り出した安倍元首相ら保守派の土下座外交のツケ

2022.12.08
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さまざまな理由をつけ、我が国との二国間の約束事を何度も反故にしてきた韓国。なぜ彼らは日本相手に、明らかな国際法違反を繰り返すのでしょうか。立命館大学政策科学部教授で政治学者の上久保誠人さんは今回、その責任は日本側にもあると断言。韓国をここまで付け上がらせた日本政府の「土下座外交」を強く批判するとともに、誰がこのような売国敵行為を続けてきたのかを、旧統一教会問題を絡めて考察しています。

プロフィール:上久保誠人(かみくぼ・まさと)
立命館大学政策科学部教授。1968年愛媛県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、伊藤忠商事勤務を経て、英国ウォーリック大学大学院政治・国際学研究科博士課程修了。Ph.D(政治学・国際学、ウォーリック大学)。主な業績は、『逆説の地政学』(晃洋書房)。

韓国のちゃぶ台返し、約束やぶりを許してきた日本の責任

カンボジアの首都プノンペンで開催されたASEAN(東南アジア諸国連合)関連首脳会談に出席した岸田文雄首相は、韓国と尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の会談を行った。3年ぶりとなる正式な日韓首脳会談であった。

日韓関係は「戦後最悪」と呼んでも過言ではない状況だった。「従軍慰安婦問題」について、元慰安婦への支援を目的に韓国政府が設立した財団に、日本が10億円を拠出し、この問題を「最終的かつ不可逆的な解決」とすると日韓両政府が合意した、いわゆる「元慰安婦をめぐる日韓合意」を、韓国側が一方的に破ったからだ。

安倍首相(当時)は「韓国はいつもゴールポストを動かす」と強く反発した。そして、「65年の日韓請求権協定に基づき、両国民の財産や権利などの問題は解決済み」「元慰安婦・元徴用工問題はいずれも決着済みで、それを蒸し返したことを収拾する責任が韓国側にある」という基本方針を頑として譲らない強い姿勢を打ち出した。

その後、日韓両国の間にさまざまな問題が立て続けに起こった。「韓国海軍レーザー照射問題」「元徴用工問題」が起こり、日本が対韓半導体部品の輸出管理を「包括管理」から「個別管理」に変更し、それに対する韓国の報復、そして、韓国が日韓で防衛秘密を共有する「日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)」の破棄を決定し、米国の説得で協定失効前日に破棄を撤回する安全保障上の深刻な事態まで起きたのだ。

尹大統領は、「未来志向の日韓関係をつくる」と発言し、日韓関係の改善を望んでいるとされる。だが、日本側は当面「問題は解決済み」という原則を貫きながら、韓国の動きを様子見する構えを崩していない。

もちろん、日韓は外交当局による事務レベルの協議を続けている。「元徴用工問題」では、1965年の日韓請求権協定に沿い、韓国の財団が日本企業の賠償金を肩代わりし、日本企業が賠償金を支払わない形式での解決策を模索している。

しかし、その実現に越えなければならないハードルは高い。まず、韓国の国内事情が問題だ。韓国国会では、野党「共に民主党」が議席の過半数を占めている。尹大統領が「慰安婦問題」「徴用工問題」で、日本の要求を受け入れるという方針を打ち出したら、野党が反発し、国会が機能停止してしまう懸念がある。

尹統領は、しばらくの間、韓国国民の関心が高い国内問題に集中して実績を上げて、支持率を高め、次の総選挙で野党が過半数を勝ち取ることを目指さざるを得ないかもしれない。

その上、大統領の任期が1期5年に制限される韓国では、次の大統領選で政権が保守派からリベラル派に移る可能性がある。その時、保守派の大統領の方針は否定される。日本企業の賠償金を支払えと再び言い出すことを日本は懸念する。要は、また「ゴールポストが動かされる」と日本が警戒しているため、韓国の案を受け入れるのは困難なのだ。

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