韓国にナメられた日本の「売国」政策。統一教会問題が炙り出した安倍元首相ら保守派の土下座外交のツケ

2022.12.08
 

韓国はなぜ「ゴールポストを動かす」と批判されるようなことを行うのか。「ゴールポストを動かす」を端的にいえば、問題が解決しそうになったときに、いきなり問題解決のハードルを引き上げるような行動のことだ。

繰り返すが、両国間の財産や請求権については1965年の日韓請求権協定で「完全かつ最終的に解決」している。慰安婦問題も、2015年の日韓合意で「最終的かつ不可逆的に解決」している。要するに、「慰安婦問題」「徴用工問題」の合意を破ることは、国家間の約束を破る国際法違反であり、なぜそのような重大なことを平気で行えるのかということだ。

前回の北朝鮮の核・ミサイル開発についても指摘したが、かつて侵略行為を行った「ならずもの国家」日本には、なにをやってもいいと思っているフシがある。韓国も同じだろう。

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例えば、中央日報ソウル大学国際大学院の朴喆煕教授は韓国・中央日報紙に、日韓関係について、「日本の主張通り歴史問題で韓国がゴールポストを動かしてきたとすれば、事実、日本は『センターライン』を動かしてきた」とコメントを寄せている。

「センターライン」とはなにか意味不明だが、続けて教授は「日本も歴史問題に対して謝罪した立場を否定するようなわい曲された見解をたびたび見せてはならず、韓国も日本の誠意ある謝罪はそのまま受け入れるなど、バランス感覚のある態度が両国共に必要だ」と言うのだ。

要するに、韓国に明らかに非がある問題であっても、「そもそも、日本が植民地支配したことに問題がある。日本は反省し、謝罪すべきだ」と言いたいのだ。だから、通常ならば絶対に許されない国際法違反であっても、日本に対してだけは許されるのだという理屈になるのだろう。

私は、韓国が「ゴールポスト」を動かすのは、日本側にも問題があるのではないかと思う。「ゴールポストを動かす」ことを日本側からみると、「いくら謝罪しても韓国がたびたび基準を変えて充分ではないと主張するため歴史問題が終わらない」ということだ。それは、裏返すと、日本が「謝罪」を繰り返すから、韓国は「ゴールポスト」を動かすのだということにもなる。

「土下座外交」という、古くからある「日本外交」を表現する言葉がある。外交において、相手国の要求を無条件で飲み続けるなど、極端な弱腰の姿勢で臨むことを意味する。この連載では、中国や北朝鮮に対する「土下座外交」を振り返ってきたが、韓国に対しても同様に「土下座外交」が行われてきたとされる。

例えば、1982年に日本の教科書検定に韓国が口を出すという内政干渉に屈した宮澤喜一官房長官談話、1984年の全斗煥大統領歓迎の宮中晩餐会における昭和天皇の謝罪、1990年の盧泰愚韓国大統領を迎えた宮中晩餐での平成天皇の「お言葉」、1993年の河野洋平官房長官が慰安婦問題への日本軍の関与を認め「おわびと反省」を表明した「河野談話」、1995年に村山富市首相が、日本の植民地支配と侵略で多大の損害と苦痛を与えたことを再確認し、謝罪した「村山談話」、1996年の橋本龍太郎首相の「創氏改名」に対する「おわびと反省の言葉」、1998年の「謝罪」が明記された外交文書「日韓共同宣言」など、日本はさまざまな形で韓国に対して「謝罪」を繰り返してきた。しかし、韓国は日本の「謝罪」を受け入れるつもりはなく、ありとあらゆる機会をとらえて「ゴールポスト」を動かし、日本に「謝罪」を求め続けてきたといえる。これが「土下座外交」である。

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