進む“世界政府”構築。なぜ米諜報界は中国の覇権拡大を図るのか

 

対照的に、米国側では日本やドイツが米国の言いなりであるなど、米国(米英)が同盟諸国を傀儡化し、国権を剥奪し放題になっている。NATOやG7など米英覇権を体現する国際組織は、同盟諸国の国権を剥奪して対米傀儡化するために存在してきた。考えてみると、米国側の諸国の国権は昔から米国(米英)に剥奪されており、いまさら追加で剥奪される国家主権など残っていない。米国がちょっと示唆するだけで日独などはすべてを差し出す。これ以上、何を剥奪したいのか。世界全体を見ると、非米側は国権の剥奪など許さない。米国側ではすでに全部剥奪されている。だから、いまさら国権剥奪用の世界政府など作っても機能しない。

米諜報界を乗っ取って覇権を自滅させて世界を多極化

この話はそこでいったん終わり、それから3年近くが過ぎた。依然として、米国側の諸国の国権はすべて米国に剥奪されたままだし、非米側の国権は何も剥奪されていない。今春にウクライナ戦争が始まり、米国側の諸国は半強制的にロシアからの石油ガスの輸入を止めねばならなくなり、その分のロシアの石油ガスは中国インドなど非米側に安く輸出され、非米側の繁栄になっている。サウジアラビアなどOPECは丸ごと非米側に寝返った。これらも、温暖化やコロナの構図と似ている。

産油国の非米化

しかしその一方で、3年経っても、コロナ危機を利用して国権剥奪の世界政府の構図を作る動きは続いている。G20は「次のパンデミック」が起きたら国際的な人の移動にワクチン旅券の提示を義務づける体制を世界的に強制する方向性を、先日のサミットで決めた。コロナはワクチンで乗り越える病気でないのだからワクチン旅券は超愚策の一つで、国際的な移動に関するワクチン旅券の義務づけは「世界政府」の構図だ。変異による重篤性の低下と感染力の上昇により、新型コロナは既存の風邪と同様、すべての対策が全く無意味になっている。それでも、まだ起きてない「次のパンデミック」まで持ち出して超愚策が続けられ、国権剥奪の世界政府の構図が描かれ続けている。これは何なのか??

The politics of a WHO pandemic treaty in a disenchanted world
G20は世界政府になる

考えているうちに出てきたのが「これは中国が非米諸国を主導して世界政府の構図を運営し、欧米諸国を、米国の傀儡から、中国主導の世界政府の傀儡に強制的に転換させる多極化の動きでないか」という仮説だった(日本はすでに安倍晋三による米中両属化で隠然転換)。大リセットも世界政府もコロナ覇権も温暖化もウクライナ戦争も、構図を作ったのは米諜報界だが、それを牛耳っているのは、米覇権(欧米)をいったん自滅させて覇権構造を米単独から多極型に転換しようとする「隠れ多極主義者」である。多極派は、テロ戦争などを通じて諜報界を乗っ取った。世界政府など一連の構図は、米諜報界が、中国(が主導する非米側)のために作ってやったのでないか。

コロナ帝国と日本

温暖化もコロナも世界政府も、最初に構図を作ったのは米国(諜報界)だったので、米傀儡の米国側諸国はこの構図を全面的に支持し、喜んで自滅の道を進み始めた。しかし途中からいつの間にか、これらの構図の主導役が米国から中国に移譲され、中国の言いつけに従わない国が国権を剥奪される構図にすり替わっている。温暖化問題の主導役は、2009年のCOP15の時に米国から中国に移譲されてる。

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