コロナ危機等を利用して各国の国権剥奪を目論むという「世界政府」なる構想。一体誰が何のためにこのような企てを描き、そして進めようとしているのでしょうか。今回の無料メルマガ『田中宇の国際ニュース解説』では国際情勢解説者の田中宇(たなか さかい)さんが、その「画策者」と、彼らが目的達成のためこれまで手を染めてきた工作の数々を明らかにしています。
米諜報界が中国のために作る世界政府
この記事は「コロナと中国」の続きです。
● コロナと中国
2020年2-3月、コロナ危機が始まると同時に、WHOや国連が世界各国に対し、都市閉鎖やマスク義務、国際渡航など移動の制限、店舗閉鎖、ワクチン強要など(最初から効かないとわかっていた超愚策な)コロナ対策を強制し始めた。強制的なコロナ対策(超愚策)を間違いなく推進するために、WHOは、政府をしのぐ権力を持つ「コロナ皇帝(コロナツァー)」を各国に配置した。各国政府は、WHOやコロナツァーが進めるコロナ対策が、経済を自滅させるだけで医療面で効かない超愚策だと知りつつも(もしくは米英の医学の権威の詐欺的な言葉を妄信して超愚策と知らぬまま)、ツァーの指示に従って自滅を進めた。インチキな理論に基づくコロナ対策を口実に、WHOや国連が各国の国家主権を剥奪する「世界政府」「コロナ覇権」の構図が作られた。
コロナより前からある地球温暖化問題も、インチキに基づいて国連が各国の主権を奪って経済自滅策を強制する世界政府や覇権の構図だ。(実は存在しない)温暖化を止めるため、各国の石油ガスの使用量などを国連が強制的に減らす構図が作られている。コロナ危機の開始後、世界のエリートを集めるダボス会議が、年次会議の主題を「大リセット」に設定した。大リセットは、コロナや温暖化などの(捏造された)世界危機を理由に、人類の生活様式を恒久的に悪化させる経済自滅策だ。国連が各国に自滅策を強要する世界政府や覇権の構図が組み込まれている。
● 人類を怒らせるための大リセット
● 大リセットで欧米人の怒りを扇動しポピュリズムを勃興、覇権を壊す
大リセットや世界政府、コロナ覇権、インチキな温暖化などの構図は、ひっくるめて世界政府と呼ぶべきものだ。この構図はなぜ必要なのか。誰の利得になるのか。覇権国は米国だから、米国が国連やエリート組織を動かしてやらせているのか?だとしたら奇妙だ。国連はもともと米国(ロックフェラー系)が世界大戦への参戦と引き換えに英国から譲渡された世界覇権を機関化するために作った組織だが、国連では途上諸国や非米諸国の主張が強くなり、その後の米国は国連が嫌いだ。米国は911後、国連やG7、NATOさえも無視して「単独覇権主義」に突っ走った。それはイラク戦争などで(未必の故意的に)大失敗したが、その後も米国は国連を嫌っている。見下している。米国が国連を動かして各国に経済自滅の超愚策を強要するという図式は考えにくい。今のように覇権が低下した米国が国連を動かそうとしても、中国やBRICSなど非米諸国が言うことを聞かないので無理だ。国連はすでに米国でなく、中国主導の非米諸国のものだ。
2020年のコロナ開始後、超愚策を利用して国権を剥奪する世界政府の体制を作る動きが進んでいると知った時、私は、そんなのうまくいくわけないと思った。米国(欧米)が他の諸国の国権を剥奪しようとしても、たとえば非米諸国群の雄であるBRICSは、隆々とした国権を持つ大国の集まりであり、誰かに覇権を剥奪・制限されることはあり得ない。BRICSや上海機構など非米側の国際組織の内部は、他の加盟諸国の国権を尊重する形で運営されている。非米側では国権が大事にされている。中国は覇権を隠然と行使する。