引き続き記事を見ましょう。
今週、南部の国境沿いでは、タイトル42が解除されるまで待って渡ろうとする移民がいる一方で、すぐに渡ろうとする移民もいて、混乱が生じた。
移民たちは今週、凍てつくような気温の中でリオ・グランデ川を渡ろうと列をなし、タイトル42がまだ実施されているにもかかわらず、米国への入国が許可されることを望んでいる。
この政策がまもなく終了すると聞いていたので、より希望を持っていた人もいたが、多くはその仕組みがよく分からなかった。
ホンジュラスで雑貨店を営むマーサ・エルナンデスさんは、9カ月前にギャングに金をせびられ、家族とともにメキシコの避難所に逃げ込んだという。
タイトル42で追放される可能性があるので合法的に渡航する方法を模索しているという。エルナンデスさんは、「私たちは正しい方法で物事を進めたいから待ったのです」と言っています。
ホワイトハウスのハサン報道官は、電子メールで、「42条の解除は国境が開放されたことを意味しない」と述べ、政府は「安全で秩序ある、人道的な方法」で移民法を執行するつもりである、と語った。
解説
タイトル42が解除されるからと言って、移民希望者が合法的に米国に入れるようになるわけではありません。
しかし上記のエルナンデスさんのように「タイトル42が解除される=米国国境が開放される」と勘違いしている人も多数います。
そして不法移民に対してバイデン大統領とカマラ副大統領は厳しい事を言えない政治的な状況にあります。
不法移民の人権に対して、過敏に反応して大騒ぎする極左の人がいるからです。
不法移民の流入の問題は人々の心を大きく動かします。投票行動に大きく影響するのです。
不法移民問題の推移を見ずに米国の政治状況を理解することは不可能です。引き続きウオッチしていきます。
PS
先日にある勉強会で一緒になった4か国語を話すインテリの研究者。
「米国民主党が『不法移民対策をしっかりとする』と発表して極左グループと決別すれば、楽に選挙に勝てるだろう。なぜそうしないのだろう?」と言っていました。
意気投合しました。 (この記事はメルマガ『在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』12月18日号の一部抜粋です。この続きをお読みになりたい方はご登録ください。初月無料です)
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