東京に中国警察のスパイ拠点。TikTokで日本国民の個人情報収集か

 

先日、スペインの人権活動団体「セーフガード・ディフェンダーズ」は、中国政府が全世界100カ所以上の国や地域で秘密裏に海外警察署を設置しているという報告書を発表しました。言うまでもありませんが、これは他国の主権を侵害する行為にほかなりません。この報告書によれば、日本にも東京など2カ所に中国警察の拠点を置いていることが判明しており、日本の外務省は中国政府に「断じて容認できない」と申し入れしました。

中国が世界で100カ所以上の警察署を開設、一部の国は支援も 報告書
中国警察の海外拠点、日本に2か所か…外務省が「断じて容認できない」と申し入れ

こうした中国警察の海外拠点は、在外中国人、とりわけ中国人の人権運動家を見張るためだと言われています。実際、反政府抗議運動に参加したり支持した中国人に対して、海外警察を名乗る人物から執拗に脅迫を受けたり、帰国を強く迫られるケースが報告されています。

暗躍する中国の「海外警察」…携帯に着信100回超、駅前でナイフちらつかせ「殺すぞ」

こうした在外中国人の情報入手にもTikTokが使用されている可能性があります。むしろ関係がないと考えるほうが不自然でしょう。中国には「国家情報法」という法律があり、その第7条では「中国の国民や組織は中国政府の情報(諜報)活動に協力する義務がある」と明記されているからです。TikTokの運営会社が中国企業である以上、この法律に従うのは当然のことなのです。

見えぬ中国の「情報」リスク LINEが突きつけた問い

そしてこの情報収集は、在外中国人だけに留まらないのは言うまでもありません。各国に展開している中国警察の拠点とTikTokからの情報で、場合によっては日本の警察以上に、中国警察が日本人各個人の動向を把握している可能性すらあるのです。

TikTokは撮影者などの顔から撮影場所、周辺の風景などの情報が認識可能です。膨大な数の動画をデータ化すれば、日本各地のさまざまな人物や場所の情報を得ることができます。もちろん、撮影ではなく見る側についても、地域の年齢構成から動画の好み、思想性までも把握されてしまう恐れがあります。

相手の好みがわかれば、親しく近づくことも容易ですし、さらに深くスパイ活動を行うことも簡単にできてしまいます。親中的な日本人、反中的な日本人を分別したり、在日スパイによって罠にはめる、意のままに動くように脅迫する、といったことも簡単でしょう。

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