アメリカの政界工作か。「国民民主の連立政権入り」情報の裏側

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12月2日に報道されるや、岸田首相も玉木国民民主党代表も直ちに否定した「国民民主の自公連立政権入り」なるニュース。かようなスクープは、一体どのような意図で報じられたのでしょうか。今回のメルマガ『モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)』ではジャーナリストの伊東森さんが、現在報じられているさまざまな情報を総合しつつその裏側を推測。さらにアメリカによる政界工作の可能性についても言及しています。

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国民民主党、連立入り?自民と国民、共鳴する“民社党”の遺伝子。公明党はどうなる、創価学会の集票力懸念

12月2日に時事通信が報道した「国民民主党、連立入り」というニュースが話題となっている。報道は、岸田文雄首相の“奇策”として、自民党が公明党との連立政権に、国民民主党を組み込もうと動き出したというもの。

自民党と国民民主党の両党の幹部はこれまで極秘に接触を重ね、岸田首相も連立政権に「ゴーサイン」を出したという。国民民主党の代表である玉木雄一郎議員も腹を固めたという。

もはや“死に体”同然の岸田首相が、奥の手として決めた策であるとして、報道当時、永田町は騒めいた。

「火の気のない所に煙は立たないってことですよ」(*1)

国民民主党の連立入り報道について、立憲民主党の議員はこう漏らしたという。

「知り合いの議員何人かに尋ねたら、『聞いてない』『根耳に水』だって。年末にかけてこりゃ、浮足立つね」(*2)

あるいは、

「遅かれ早かれでしょ。でも県連レベルでは立憲と国民民主が歩調を合わせている所もある」(*3)

とも。

国民民主党は3月に成立した今年3月に成立した当初予算、5月の第一次補正予算で賛成に回る。第二次補正予算成立時にも、政府与党に追随。国民の玉木代表は、党が主張した電気料金引き下げ対策などが盛り込まれたことを評価していた。

目次

  • 民社党の遺伝子 統一教会との関わりも
  • 公明党はどうなる? 創価学会の集票力懸念
  • アメリカの政界工作の可能性も

民社党の遺伝子 統一教会との関わりも

そもそも、自民党と国民民主党とには互いに“引き合う”下地があるという。国民民主の玉木氏は同じ香川出身の元大蔵官僚で、故・大平正芳元首相の親族。

そして大平氏が自民党内で率いた派閥が宏池会であり、その派閥の現在のトップが岸田首相。

それだけではない。法政大学大学院の白鳥浩教授は、

「国民民主の血脈をさかのぼると旧民社党に行き着く。55年体制の野党で、中道から弱い保守までを含んでいた。この『保守』の分野で自民と相通じていた」(*4)

という。

さらに民社と自民とを通じさせるものとして、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の存在が。

教団の政治団体「国際勝共連合」の機関紙「思想新聞」を1980年代までさかのぼると、教団の理念に共鳴する「勝共推進議員」の名簿にも民社党の議員の名前が何人も登場。

勝共連合の関連する会合には、民社党の国対委員長が出席した(*5)。

民社党と教団との接点について、北海道大大学院の桜井義秀教授(宗教社会学)は、東京新聞の取材に、

「党として関係を持ったわけではないが、反共で共鳴する人もいたのだろう。選挙の組織票をうかがう算段もあった。そこは民社も自民も違いがない」(*6)

とする。

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