プーチンと“同じ過ち”を犯すことになる日本。石垣・宮古に「攻撃ミサイル基地」という愚行

 

A:実は、本当の目的は「島嶼防衛」ではなくて「中国攻撃」なのだ。台湾有事で米中が本格的な通常戦争に入った場合、自衛隊は中国側のいわゆる「第1防衛線」である九州西部・奄美・琉球諸島のラインで中国艦隊・航空部隊の太平洋進出を食い止めると共に、東シナ海を通る中国の海上輸送路を遮断する。そのため、地対空・地対艦攻撃ミサイルを配置して与那国水道、宮古海峡、大隅海峡を封鎖しなければならない。

Q:あのですねえ、中国の台湾統一についての基本方針は、今度の党大会でも言われているように、2035年までに中国が1人当たりGDPで台湾と並ぶ「初歩的現代化」を達成することを通じて台湾民衆が統一を受け入れられるようにする「平和統一」である。

A:いや、党大会では「武力統一を辞さない」ことを改めて宣言し、その危険がいよいよ現実化しつつあるのだ。

Q:そんなことはない。いざとなれば武力行使も辞さないというのは建国以来の大原則で、その「いざ」とは、台湾側が罷り間違って「独立」を宣言した場合のこと。そうでないのにいきなり武力を振るって併呑にかかるなどあり得ない。

A:いずれにしても、台湾有事となれば米国は「自由と民主主義」を守るために支援するし、我が国にとっても、安倍総理が言ったように「台湾有事は日本有事」ですから、覚悟して戦わなければならない。

Q:さて、どうなんでしょう。中国と台湾のどちらから見ても「中国は1つ」ということになっているので、台湾有事はどう転んでも中国の内戦である。それに米国なり日本なり外国が介入するということは「侵略」に当たる。ウクライナ紛争の本質は、ウクライナ国内のドンパス地方で相対的多数を占めるロシア系住民の自治権を巡る内戦にロシアが我慢し切れずに外から手を出したので侵略になってしまった訳で、米日はプーチンと同じ過ちを繰り返すこととなる。「台湾有事は日本有事」などという戯言はきちんと撤回しないといけないのでは?

以上「仮想対話」終わり。

この記事の著者・高野孟さんのメルマガ

初月無料で読む

 

print
いま読まれてます

  • プーチンと“同じ過ち”を犯すことになる日本。石垣・宮古に「攻撃ミサイル基地」という愚行
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け