■去年のキャッチコピー
さてここで、去年のキャッチコピーを思い出してみましょう。この原稿を書いている時点で、もうすっかり忘却の風に晒されていますが、幸いScrapboxの目立つ場所にページをpin留めしてあります。
「ライティングフローを確立する一年」というテーマでしたが、前回も書いたようにこれは大失敗に終わりました。ただし〈成果が得られた失敗〉です。執筆活動において何をしてはいけないのかが明確になりました。
去年のトピックスとして以下の項目を挙げましたが、
・執筆の順番
・並行して進める作業
・連載を進めて、終了後に原稿をまとめる
・ブログの執筆および公開の流れ
・エッセイ集をどうやってつくるか
・本を読んだ後の処理について
・自分の大きな執筆に向けて
この中の「並行して進める作業」がボトルネックであることが確認できたわけです。だったらその失敗を織り込んでライティングフローを改めればいいだけです。
もう一つ、2022年にシゴタノ!で連載していた「知的生産の技術書100選」は自分の中でもかなりしっくりきた連載で、これなら本にまとめようという気持ちが高まりました。
つまり、連載ならなんでもよいわけではなく、充実した内容になり、自分でもその内容をまとめたいと思える連載にすればモチベーションは維持できるわけです。
であれば、連載の企画を雑に決めるのではなく(これまではかなり雑に決めていました)、もう少し方向性を踏まえて決定することが必要でしょう。
そのあたりも踏まえて、このメルマガと新しいWebサイトを使い、「連載」をうまく展開していけたら良さそうです。
だとすれば、今年のキャッチコピーはどうなるでしょうか。
「Hubとなるサイトを構築する一年」
がよさそうです。さまざまなもののhubになっているのがそのWebサイトなので、まず橋頭堡を築くつもりで取り組んでいきます。
ここまで書いてきたことをざっとまとめれば、以下の三つの指針が見出せるでしょう。
・なんとか一年を生き延びる
・最低一冊の本は書き上げる
・新しいWebサイトを形にする
でもって今年のキャッチコピーは「Hubとなるサイトを構築する一年」です。
実際に進める細かいプロジェクトはわからないにせよ、大きな方針としてはこの方向性になりそうです。
それと並行して「自分はこれからどんな本を書いていくのか」という別の指針も考えたいのですが、これまた回を改めて書くとしましょう。
■さいごに
というわけで、2023年の倉下の指針を確認しました。これくらい大雑把な感じで「指針」は大丈夫だと思います。より具体的な話はまた別のタイミングで検討すればOKです。別々に考えるのです。
すべてをトップダウンで展開し接合させるのではなく──間にクラッチを挟むように──間接的に「つなげる」くらいの感覚がちょうどよいかと思います。
ぜひ皆様も今年の「指針」を3つ(3つまでに留めておくのが吉です。でないと覚えておけないので)確認してみてください。さらにそこから今年のキャッチコピーも考えてみてください。
この記事の著者・倉下忠憲さんのメルマガ
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