日本が「高齢者施設で多数の感染者と死者を出した」とスウェーデンをぶっ叩いた過去
そもそも、面会できる時期であっても、密閉されたアクリル製の壁ごしに話すだけで、面会者は建物の中に入れてもらえないし、他都道府県から帰省したばかりの人は、面会そのものができないというルールもある。鉄壁のガードである。
ましてや、正月に帰省した孫や子どもたちが、高齢者施設を訪れて、入居しているおじいちゃんやおばあちゃんとベタベタ接触するなんてことは、まず起こらない。
やはり、幼児、子ども、若者には、たとえ体に害のないワクチンであっても、「大切な人のために」打たせる意味などない。
だいたい、「高齢者施設で多数の感染者と死者を出した」という理由で、スウェーデンをぶっ叩いたあの頃は、一体なんだったのか。
第170回「“スウェーデン失敗”というねつ造報道」は、今から2年半前に書いた原稿だが、当時、世界中がロックダウンに踏み切るというキチ●イ沙汰のなか、スウェーデンでコロナ対策の陣頭指揮をとったアンデシュ・テグネル博士だけが、ロックダウンの有害性を指摘して、断固として世界に同調しなかった。
だが、高齢者施設での死者が多発し、コロナ以前から国内で問題となっていた介護施設の質の低下や、感染症に対する脆弱さがクローズアップされることになった。
テグネル博士は、「戦略そのものは良いが、過去を振り返れば、もっと改善できる部分がある」「将来的には、死者数を止める方法があったかどうかを考えなければならない」と語ったが、マスコミは、これらの言葉の一部分だけを取り上げて、「テグネルが失敗を認めた」「スウェーデンはコロナ対策に失敗した」と大バッシングしたのだ。
● スウェーデン 死者4500人超に 責任者 対策不十分と認める
いま、ロックダウンも自粛も移動制限もしていない日本では、「これを打ちさえすれば大丈夫」と喧伝されたワクチンを繰り返し打ちまくった末に、高齢者施設ばかりでクラスターが多発し、多数の死者が出ている。あの時、スウェーデンを叩きまくったマスコミは、日本の現状について、一体どう考えるのだろうか?
何もかもが、日本にとって最悪な方向へ大逆転、である。
米WSJ紙が掲載した『Nature』論文「ワクチンは新たなコロナ変異を加速させているのか?」の衝撃
最後に、アメリカの一流紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』に掲載された記事を要約して紹介したい。タイトルは──
「ワクチンは新たなコロナ変異を加速させているのか?」
● Are Vaccines Fueling New Covid Variants?
現在、米国北東部では、「XBB型」と呼ばれる、オミクロンの変異種が急速に広がっているが、研究によれば、ワクチン接種を繰り返すと、「XBB型」に感染しやすくなる上に、ウイルスの急速な進化に拍車をかけている可能性を示唆する証拠が増えつつあるという。
12月19日付の『Nature』誌によれば、「(オミクロンのように)増殖に有利な複数の変異型が、同時に急速に出現することは前例がない」らしく、ウイルスは、より簡単に感染し、すでに体内に作られた抗体からは逃れられるような変異を起こしたと考えられるという。
さらに、この研究では、「免疫刷り込み」が、ウイルスの進化に寄与している可能性が指摘されている。
当初、人々に投与されたワクチンは、武漢で発生したオリジナルの株を免疫系に記憶させ、退治するよう訓練するのに適したものとして作られていた。しかし、そのオリジナルからは、著しく異なる新種が登場すると、免疫系の反応は鈍くなってしまう。
また、「武漢型」と「BA.5型」の2つを標的とする「2価ワクチン」は、この2つの型に共通する抗体を産生させるものとして設計されているが、これを回避してしまう突然変異が発生しているという。
ワクチンの追加接種をしまくり、ブレイクスルー感染しまくりの環境のなかで、より存続率の高い型として適合するべく進化して発生したのが、流行中の「XBB型」というわけである。
つまり、大勢がワクチンを打てば打つほど、ウイルスもそれを回避するような進化を重ねてしまい、イタチごっこが止まらないということだ。
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