蜜月も終了?プーチンを「気が狂った」と批判を始めた中国・習近平

Russian Federation & China - disagreement, Russia and Chinese flags. Relationship conflict between Russia and China. Trade deal conceptRussian Federation & China - disagreement, Russia and Chinese flags. Relationship conflict between Russia and China. Trade deal concept
 

中国とロシアが裏で繋がっていることはロシアのウクライナ侵攻でも強く感じられることになりました。しかし、今回の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』では国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんが、 現在の中国はプーチンへの信頼を失ったとして、その理由を解説しています。

プーチンは「気が狂った!」中国はプーチンへの信頼を失った

私が『中国ロシア同盟がアメリカを滅ぼす日』という本を出版したのは16年前、2007年のことです。

今なら、「中国ロシア同盟」という言葉、誰でも受け入れることができるでしょう。ところが当時は、「中国ロシア同盟?????そんなものは、どこにも存在しない!」という感じでした。

私は、「事実上の中国ロシア同盟は、2005年に成立した」と見ています。だから、07年にそういう名前の本を出したのです。どういう話でしょうか?

プーチンは、2000年に大統領になると、当時の有力新興財閥二人を征伐しました。一人は、「クレムリンのゴッドファーザー」と呼ばれていたベレゾフスキー。もう一人は、「ロシアのメディア王」と呼ばれ、「世界ユダヤ人会議」の副議長だったグシンスキー。ベレゾフスキーはイギリスに、グシンスキーはイスラエルに逃げました。

石油最大手ユコスのCEOだったホドルコフスキーという男がいます。彼も、上記二人と同じくユダヤ系。彼は、ベレゾフスキー、グシンスキーがアッという間にプーチンにやられたのを見て恐怖します。それで、何をしたか?

まず、イギリスのジェイコブ・ロスチャイルドに接近しました。そして、共同で「オープンロシア財団」を立ち上げたのです。なんだか「陰謀論」みたいな話ですね。ここでは細かい証拠を挙げるスペースがありません。詳細に興味がある方は、拙著『プーチン最後の聖戦』をご一読ください。

もう一つ、ホドルコフスキーは、ネオコンブッシュ政権に接近しました。そして、ホドルコフスキーは、「自分を守ってくれれば、ロシアの石油最大手ユコスをアメリカに売る」と約束したのです。実際、エクソンモービル、シェブロンテキサコとの交渉がはじまっていました。

ロシアにとって、石油、天然ガスは最大の収入源です。プーチンは、それをアメリカに売ろうとするホドルコフスキーを許すことができなかった。それで、ホドルコフスキーは、脱税、横領などの容疑で03年10月に逮捕されたのです。彼はそれから、10年間刑務所にいました。

その後、プーチンが「ロシアの勢力圏」と考える「旧ソ連諸国」で相次いで革命が起こるようになっていきます。03年、ジョージアで。04年、ウクライナで(オレンジ革命)。05年、キルギスで。

プーチンは、「これらの革命の背後にアメリカがいる」と確信。「このままでは、ロシアでも革命が起き、俺も失脚させられる!」と恐怖したプーチンは05年、「中国との同盟」を決断したのです。そこから中国とロシアは、ず~~~~~っと、「事実上の同盟関係」にあります。

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