生物学者・池田教授が解説。ワクチン接種者が心筋炎や心膜炎になり易いワケ

 

さて体内に入ってきたウイルスなどの抗原は、まず樹状細胞(免疫細胞の1種)に取り込まれてタンパク質の断片(ペプチド)にされ、この断片が樹状細胞の表面にあるMHC(Major Histocompatibility Complex)という分子の上に提示される。MHCにはクラスIとクラスIIの2種類があり、樹状細胞はこの両方を持っている。クラスIは赤血球を除くほとんどの細胞に存在するが、クラスII分子は樹状細胞の他はマクロファージ、B細胞などに存在するだけである。

ウイルスに感染したりワクチンを打ったりして、抗原が樹状細胞に取り込まれて断片化され、クラスIMHCとクラスIIMHCの上に提示されると、クラスIMHC上の抗原を認知したキラーT細胞は、抗原を提示した樹状細胞に刺激されて、増殖して活性化し、感染細胞を見つけ出してこれを殺すようになる。

ちなみに、我々の免疫系は、あらかじめほぼすべての抗原に対応するT細胞やB細胞を持っているが、そのそれぞれの数が少ないため、いざ、病原体をやっつけようとすると、数をものすごく増やす必要がある。上述したのは獲得免疫のうち、細胞性免疫と呼ばれる仕組みである。感染細胞はウイルスを断片化してクラスIMHCの上に提示するので、これを見つけた大量のキラーT細胞は、パフォーリンというタンパク質をかけて感染細胞ごと溶かして殺してしまう。

一方、樹状細胞のクラスIIMHC上の抗原を認知したヘルパーT細胞は、増殖して活性化し、同じ抗原を提示しているB細胞を活性化して、増殖させる。B細胞は抗体産生細胞なので、その結果、沢山の抗体がつくられ、抗原(ウイルス)を無力化する。これが、液性免疫の仕組みである。暫くして、免疫反応が一応収まると、活躍した当該のT細胞もB細胞もほとんどなくなって、僅かな数が記憶細胞として残る。

ところで、通常のワクチンと違って、mRNAワクチンの場合は、細胞内で作られたスパイクタンパク質(抗原)は、細胞外に放出されると同時に、一部は細胞表面のクラスIMHC上に抗原提示されるに違いない。細胞外に放出されたスパイクタンパク質は樹状細胞に取り込まれ、最終的に対応するキラーT細胞や抗体を作り出す。このキラーT細胞は、抗原提示している細胞(スパイクタンパク質を作っている細胞)を感染細胞と看做し攻撃するはずだ。

ナノ粒子は、最初に注射された筋肉細胞だけでなく、全身に回り、特に肝臓、脾臓、卵巣、副腎などに蓄積され易いという。他にも、脳、心臓などにも運ばれるようだ。先に、ワクチン接種者は、非接種者に比べ、心筋炎や心膜炎になり易いという話をしたが、これは、接種者の心臓の細胞で、スパイクタンパク質が作られて、抗原提示をした後に、キラーT細胞に攻撃されたせいだと考えれば、納得がいく。もしかしたら、これはmRNAワクチンの根本的な欠陥かもしれない。(一部抜粋)

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