「ルフィ」率いる闇バイト組織の実態。特殊詐欺のプロが指摘したノウハウの数々

 

5.被害が起きた問題点も明らかに。

知人から聞いた話ですが、19年にフィリピンで36人の大規模な詐欺グループが摘発されて、収容所に入れられました。

この収容所ではスマホは入手できますので、この中で国内に詐欺の電話もかけていたということです。

知人には、「詐欺をやめられると思ったのに、まだやらされている。早く日本に帰りたい」というメッセージがきたそうです。当時はコロナ禍もあり、なかなか日本に戻れませんでした。

今回も、収容所からの指示を出していたとのことですので、収容所にいる詐欺行為をした疑いのある人物らを日本政府は一刻も早く出国させて、国内で逮捕しなければならないのです。

つまり、今回は詐欺などをして収容所に入れられた男らの出国が遅れたので、これだけの強盗被害につながってしまったともいえます。

いかに海外との連携を深めて、国内に引き渡してもらうのか。詐欺や強盗事件を防ぐためにも、課題となっています。

6.防犯対策はどうすればよいのか。

どうやって強盗グループの犯行から、身を守ればよいのでしょうか。

侵入の手口は、宅配業者などを装って、玄関から入り込む。その他には、窓を割って侵入するがあります。

ですので、できれば、置き配にして、すぐには扉を開けず、時間が経ってから外の物をとるようにする。

また、窓には防犯フィルムなどを張るなどして、容易に割られないようにする対策も必要です。また敷地内に侵入したら、防犯ブザーがなるようなシステムもあった方が良いと思います。

しかしながら、強盗グループは下見をして用意周到に狙い定めて、複数人でやってきます。正直なところ、これまでいわれてきた、監視カメラをつけるなど「狙われない家になる」といった、既存の防犯対策は役にたたないかもしれない、思いもあります。

ですので、防犯会社を利用して、防犯にお金をかけるという発想も必要です。

もっといえば、もはや一家、一家だけの防犯では、防ぎ切れない状況だと思っています。こうした強盗グループは必ず下見をします。ですので、地域一丸になって見守り、不審な車両などがあれば、警察に通報して、パトロールを強化してもらうことも必要です。

最後に、今、防犯会社に問い合わせが殺到しているとのことです。

この機に便乗して、偽の防犯会社をかたる詐欺も起こる可能性もありますので、気をつけてください。

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悪徳業者などへの潜入取材した数は100ヶ所以上。数々の現場経験と被害者への聞き取り取材から、詐欺・悪質商法に詳しいジャーナリストとして一線で活動し、多数のテレビ・ラジオに出演している。現在はヤフーニュースのオーサ・公式コメンテーターとして、コメントやニュース記事を執筆中。消費者庁「若者の消費者被害の心理的要因からの分析に係る検討会」(2017年~18年)の委員も務めた。雑誌「ダカーポ」にて、悪徳商法に誘われたらついていく連載を担当。それをまとめた著書「キャッチセールス潜入ルポ~ついていったらこうなった」(彩図社)はフジテレビで番組化され、ゴールデン枠の特番で第8弾まで放送された。新刊11月予定「信じてみたら、ダマされる。~元統一教会信者だから書けたマインドコントロールの手口」(清談社清談社Publico)

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