自分の老後のために育児する、中国「養児防老」が現実的ではなくなっている

Smiling family members in ao dai dresses holding red lucky money envelopes
 

また、1950~60年代生まれの人は、計画経済時代と重なる1980年代以降に生まれた子供が多いため、ほとんど一人っ子の家庭だ。そして、このたった一人の子供が一緒にいない場合は、彼は異郷の地、あるいは海外にいる。「養児防老」はほとんど不可能で、それは今、多くの家庭が抱えている状況だ。

中国人は将来の老後のために何をすべきなのか?実際、老後の過ごし方はすでに多様化しており、例えば、サービス事業者によっては、中・高・低レベルの高齢者介護サービスを提供するところもある。

60歳以上の人口が2億6,000万人もいる中国では、高齢化社会のプレッシャーが実に大きい。現在、中国の高齢者の90%は家族で暮らし、7%が地域社会で助けてもらい、3%が老人ホームで暮らしている。

子どもが1人しかいない家庭も多く、子どもが複数いても老人と子どもの両方の面倒を見なければならないし、年金などを持っていない高齢者も多い。高齢者向け公立・私立の福祉施設の充実は急務だと専門家が助言する。

中国人は「養児防老」という伝統的な意識を変える時期に来ているのかもしれないね。親と子は、あまり功利主義的な考えではなく、精神的に尊敬し合い、支え合うべきであり、親は子に多くの利益を求めてはいけない。逆に、親の財産に目をつけて、お金があれば近くにいるけれども、なければ離れて行くというような子どもはダメなんだ。

この記事の著者・黄文葦さんのメルマガ

初月無料で読む

 

image by: Shutterstock.com

黄文葦この著者の記事一覧

在日中国人作家。日中の大学でマスコミを専攻し、両国のマスコミに従事。十数年間マスコミの現場を経験した後、2009年から留学生教育に携わる仕事に従事。2015年日本のある学校法人の理事に就任。現在、教育・社会・文化領域の課題を中心に、関連のコラムを執筆中。2000年の来日以降、中国語と日本語の言語で執筆すること及び両国の「真実」を相手国に伝えることを模索している。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料お試し登録はこちらから  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 黄文葦の日中楽話 』

【著者】 黄文葦 【月額】 ¥330/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎月 第1月曜日・第3月曜日(年末年始を除く) 発行予定

print
いま読まれてます

  • 自分の老後のために育児する、中国「養児防老」が現実的ではなくなっている
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け