晩婚化というウソ
先日、自民党の麻生太郎副総裁が、
「少子化の最大の原因は晩婚化」
と発言。そのことに対し、「理解不足」「女性への責任転嫁」といった批判の声が出た。
問題の発言は15日、福岡県内で開かれた講演会で飛び出す。テレビ朝日の報道によると、麻生氏は少子化について、
「一番、大きな理由は出産する時の女性の年齢が高齢化しているからです」
と断言。女性の初婚年齢が、
「今は30歳で普通」
と述べたうえで、
「子どもを複数出産するには「体力的な問題があるのかもしれない」
と指摘した。少子化は女性の問題と捉えかねない発言であり、SNS上では批判の声が相次ぐ。
しかしながら、日本の晩婚化は“デマ”だ。内閣府が2020年にまとめた資料によると、日本人の平均初婚年齢は、29.4歳。この数字は、日本より出生率が高いイギリス(31.5歳)やフランス(32.8歳)、スウェーデン(34.0歳)よりも低かった。
人口問題に詳しい日本総研の藤波匠氏は東京新聞(1月24日)の取材に対し、
「05年ごろまでは婚姻率の低下が出生率を押し下げる主因だった。しかし、結婚しても子どもを持たない人が増え、16年以降はむしろ出生数の低下を加速させている。晩婚化・非婚化が少子化に与える影響は小さくなっている」(*1)
と麻生氏の指摘に異議を唱える。
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