独ソ戦とウクライナ戦争を同一視。プーチンの許されぬ“すり替え術”

April 4, 2010. Vladimir Putin, photo of the official visit as to Caracas on April 4, 2010, where he held a meeting with Venezuelan President Hugo Chávez.
 

今のところアメリカはノーだと言っているけれども、各国が持っているF16を供与する話が個々に、あちこちで盛り上がっている。戦車同士の戦いが想定されていますが、後ろに砲兵がいたり、戦車がぶつかる前にその砲兵を叩く空軍が必要だったりする。となると、大決戦みたいなものがあるとイメージした上でウクライナ軍に勝機があるとすれば、それはなにがしかの航空機の支援と、それから強力な戦車、これがあれば状況が変わるのではないかという話です。

それからこれは、今日本で議論されている敵基地攻撃論とダブってくる面が少しだけある話ですが、といっても日本のそれは戦争を招き入れるような話なので、ちょっと違う話ですが、地上発射型の小口径爆弾、あるいは小さい巡航ミサイルみたいな、射程150キロというとんでもなく長い射程を持ったミサイルのような、巡航ミサイルのようなものを供与しようという話が浮かんでいたりします(最新の米国による軍事支援パッケージの中に、ハイマースのロケット弾として射程150キロのものが入りました)。

とにかくその他様々、兵員を乗せつつ攻撃が出来る大型の車両であるとか。とにかく軍事支援の火がついたというか、各国が滅茶苦茶それで盛り上がっている状況。先ほども言いましたように、それでウクライナ軍が本当に強い力を得られるのかどうかは分かりませんが。今、そういう状況にあるということだと思います。

今、ウクライナの防衛大臣がフランスに行ったり、あるいはEUのフォンデアライアンさんがキーウに来てゼレンスキーさんと話をしたり、いわゆる外交という意味ではヨーロッパ各国、ポーランドなどは特に熱心ですが、色んな外交攻勢を展開していて華々しいですが、かといって、軍事的な、明らかな結果のようなものが別に生じてしまうと、外交で何かをやったなどということはどこかに吹っ飛んでしまうこともあるだろうと思います。そうなるとじゃあどうすれば良いのか、という話が出てくる。なんとも、人道的な危機をあえて起こしてきたようなロシアの軍隊が大きな戦争に勝つというのはどう考えたら良いのかなと私などは思うわけですが…。プーチンさんは見事なすり替えをやってましたね。ボルゴグラード、旧スターリングラードの攻防戦、独ソ戦の一番激しい戦い、それこそ一部屋一部屋を取り合うというような、市街戦中の市街戦をやったわけですが、その戦いと、ウクライナに攻め込んでいることのどこがどう同じなのかという疑問。普通の人ならそう感じるだろうと思うのですが、プーチンさんはそれを同じ戦いだと見たいらしいですね。とんでもないことだと思います。

今日が2月の3日ですが、3週間先がちょうどこの放送の日、その前に何らかの動きが起きているだろうと思うので、24日はどんなことを話すことになるのかなという気がしております。

(『uttiiジャーナル』2023年2月5日号より一部抜粋。全てお読みになりたい方はご登録ください)

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image by: Harold Escalona / Shutterstock.com

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ニュースステーションを皮切りにテレビの世界に入って34年。サンデープロジェクト(テレビ朝日)で数々の取材とリポートに携わり、スーパーニュース・アンカー(関西テレビ)や吉田照美ソコダイジナトコ(文化放送)でコメンテーター、J-WAVEのジャム・ザ・ワールドではナビゲーターを務めた。ネット上のメディア、『デモクラTV』の創立メンバーで、自身が司会を務める「デモくらジオ」(金曜夜8時から10時。「ヴィンテージ・ジャズをアナログ・プレーヤーで聴きながら、リラックスして一週間を振り返る名物プログラム」)は番組開始以来、放送300回を超えた。

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【著者】 内田誠 【月額】 月額330円(税込) 【発行周期】 週1回程度

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