急増するメンタルヘルス不調による休職者。その時お金はどうするのか?

 

自分じゃそこまで自分を律することができません!

とはいえ自分でここまで生活をガチガチに管理することはかなりしんどいです(筋トレに似ているなぁと最近筋トレにハマっている私は思います)。

やり方がわかっていても「まぁ……怒られるわけじゃないし今日は寝ちゃおう」という悪魔の声は聞こえてきやすいですよね。私なら聞こえてきます!

そういう人は「リワーク」という制度が活かせるかもしれません。日本うつ病リワーク協会など「リワーク」と検索すると「リワークってのはこういうもんやで!」とまとめてくれています。

こう言ったところにお金を払って行くことでかなり職場を再現できると思います。

わざわざお金を払って朝起きて、身なりを整え知らない人の沢山いるリワークに行き(これは会社出勤の模擬戦です。会社は全員仲良しこよしじゃないですから)、やりたくもない謎なプログラムをこなし(これは割と重要で、やりたくないことをこなすストレス耐性があるかを評価できます。でもこれを知らないと通うのがかなり嫌になると思います)、自分がメンタルブレイクした心理状況をグループワークで学んだりし(専門の心理士さんが指導してくれたりします。これは合う人だと次のメンタルブレイク予防にめっちゃ役に立ちますが、合わない人は振り返りの段階で症状が悪化することもあるので、しんどい場合は正直にリワークのスタッフさんに言いましょう。しんどいと言えることもとても大事な自己ケアです)、ヘトヘトになって帰宅する……というのをリワークプログラムに沿って行うと、リワークからのフィードバックやアドバイスをもらえますし、復職の会社や産業医との面談で提出したら回復度が「精神科や身体の病気について何も詳しくない」相手にビシバシ伝わります。

そう、相手は病気については無知な存在なのです。産業医だからといってその分野に詳しいと思わないでください。産業医はあくまでも「労働者が健康を維持しながら、安全に就労を継続できるように管理する」のが仕事であり、「患者」は対応範囲外なのです。

まとめ

今回自分で書いていても2回分くらいになってしまったなぁと反省しております。

しかし休職からの復職はある程度治っていてもテクニカルに相手にアプローチしないと断られる可能性があるとても大変なことです。

普段からも休職中に上司からの連絡はある程度回復してくれば自分で受け答えを開始し出した方が会社も「上司とやり取りできるんだな」(逆を言えばこれが出来ないなら復職の許可は厳しいですよね……)と前向きな兆候として受け入れやすいです。上司が原因で休職したなどで上司との連絡が厳しければ、人事や総務の連絡が取れる人に代わってもらうなどは提案して良いと思います。この交渉ができないとやはり「仕事で何かあったら又倒れちゃうかも……」と思われても仕方ないです。

どうしてもこういった連絡ができない場合はやはり転職を視野に入れ、治療を進めていきましょう。

次回は今回中途半端になってしまった「傷病手当金」と、ボリュームがいけそうなら「労災判定への道のり(メンタルの場合)」をお話ししようと思います。

今回は最後まで読むのが大変だったと思います。お疲れ様でした。又次回お会いできると幸いです。

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文系から理転して医学部へ、医者になってからも内科医から精神科医へ転身を繰り返している落ち着きのないADHD当事者、依存症家族、AC当事者、毒親育ちのノンバイナリー(無性)。持ち前の衝動性で書籍を書いたりしながら常勤医として奮闘中のバクが、世間の目がまだまだ偏見に満ちている精神科領域について医療者目線と当事者目線で語ったり雑談したりします。その他産業医目線での復職についてや、DPAT(災害派遣精神医療チーム)の話、表ではいいにくいジェンダー問題や発達障害についての赤裸々なお話を不定期にお届け予定です。

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