男性の場合は、高齢期に突入している人の多くは、40年間公的保険にカバーされているため、老後の貧困のリスクは減少傾向で、今後はさらに減っていくと予想されています。一方、女性は2018年の貧困率に2030年の人口推計をかけ合わせると、貧困者がますます高齢化・女性化すると試算されているのです。
日本の人口の6人1人は65歳以上の女性です。なのになぜ、国際女性デーに「高齢の女性」の貧困問題にスポットが当たらないのでしょうか。
コロナ禍では、多くの女性が悲しい選択を余儀なくされました。その多くは非正規の女性でした。諸外国と比較すると、日本の男女間賃金格差は大きく、非正規雇用の場合、男性の年収が平均226.7万円に対し、女性は152.9万円です。
女性の賃金が低い背景には、「女性は補助的な労働力」という昭和の家族モデルのまま日本社会が動いていることが大きな原因です。「女性は稼ぎが少なくてもいい」という昭和的思考が、令和の今「高齢の女性は貧困でも仕方がない」という性差別・年齢差別につながってるように思えてなりません。
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