NUROモバイルが発表した「40GB3980円」プランに競争力はあるのか?

Shutterstock_2216514879
 

NUROモバイルが40GB3980円の新プランを発表。MVNOのライバルイオンモバイルの40GB4158円を意識した値付けですが、ユーザーの支持は得られるのでしょうか。4000円前後になると、100GB4950円のahamo大盛りなどMNOのプランと比較されることになると不安要素をあげるのは、メルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』著者で、ケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川温さん。大量のデータを扱う5G時代になっても、MVNOのビジネスがMNOへの「接続料」の支払いがベースという部分に議論が必要ではないかと問題提起しています。

「データ使い放題」に近づくのはMVNOにとって鬼門か?NUROモバイルが40GB3980円「NEOプランW」発表

ソニーネットワークコミュニケーションズのNUROモバイルは3月8日、新料金プラン「NEOプランW」を発表した。月額3980円で40GB、対象SNS使い放題、アップロード無制限、3ヶ月ごとに15GBが付与されるという内容だ。

ユーザーのデータ利用料が年々、増加する中、「20GBでは足りない」という需要に応えたものとなる。MVNOで40GBのプランを提供するところはかなり限られている。

かなり細かい刻みでデータ容量を提供するイオンモバイルにおいて、「さいてきプランMORIMORI」のなかで、40GBで4158円という設定だ。イオンモバイルでは余ったら翌月に繰り越すことができる。

MVNOとしては、あまり使わないユーザーにとってお得な料金設定が多かっただけに、データ容量を使いたい人向けのプラン設計となると、かなり不利なような気がしている。

実際、NTTドコモ「ahamo」の20GBで2980円に「大盛り」をつければ100GBで4950円となる。「NEOプランW」に1000円弱を足せば、ahamo大盛りで60GBも多い100GBが使えるとなると、正直言って、ユーザーからすればかなり悩ましいだろう。ahamo大盛りで4950円、さらに2000円ちょっとを追加すれば、もはや「5Gギガホプレミア」が契約できてしまう。

MVNOとしては、データ容量を増やし、収入を増やしたいのだろうが、中容量から大容量プランにシフトすれば、それだけMNOの「使い放題プラン」に近づいてしまう。

かといって、接続料でビジネスが成り立っているMVNOにとっては、「使えば使うほど接続料を支払う」仕組みになっているわけで使い放題プランの提供は難しい。

そもそも、接続料を基本とするMNOとMVNOの関係でいいのか。もうちょっと議論が必要なのではないだろうか。5Gの浸透によって、これから5G SAをMVNOに開放するという話も具体的になってくるだろう。まさに5Gでデータが大量に流れる時代に、3Gのころから変わらない「接続料」という考え方をベースにしていていいのか。

総務省がこれからもMVNOに対して、MNOの対抗軸として競争政策を進めていくのであれば、そろそろ「5G時代のMVNOのあり方」について、向き合わなければならないのではないか。

この記事の著者・石川温さんのメルマガ

初月無料で読む

image by:Koshiro K/Shutterstock.com

石川 温この著者の記事一覧

日経トレンディ編集記者として、ケータイやホテル、クルマ、ヒット商品を取材。2003年に独立後、ケータイ業界を中心に執筆活動を行う。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。日進月歩のケータイの世界だが、このメルマガ一誌に情報はすべて入っている。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料お試し登録はこちらから  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 石川温の「スマホ業界新聞」 』

【著者】 石川 温 【月額】 初月無料!月額550円(税込) 【発行周期】 毎月 第1土曜日・第2土曜日・第3土曜日・第4土曜日(年末年始を除く) 発行予定

print
いま読まれてます

  • NUROモバイルが発表した「40GB3980円」プランに競争力はあるのか?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け