EV先進国の先頭集団を激走する中国ですが、「好ましからざる癖」は完治していないようです。日刊で中国の自動車業界情報を届けてくださるメルマガ『CHINA CASE』では今回、大手メーカーの長城汽車が発表したVWビートルそっくりのEVを紹介。さらにそんなデザインに対して、あまりに肯定的なコメントをリリースする同社の姿勢に疑問を呈しています。
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普通に言えばパクリ。長城「欧拉(ORA)」、香港・マカオで「VWビートル似」車種を発表
中国民間OEMの長城汽車によるEVブランド「欧拉(ORA)」は2023年2月16日、香港クーロン湾国際展示貿易センターのORAフラグシップ店で、開業式典とORAブランド発表会を開催した。翌17日にはマカオでもORAを正式発表した。
中国勢によるASEAN(東南アジア諸国連合)諸国や欧州各国でのEV発表は珍しくなくなったが、香港・マカオは珍しい。
香港での反応
香港におけるORAフラグシップ店開業及びORAブランド発表会のテーマは「ALWAYS READY , ALWAYS ON」。
長城汽車のプレスリリースによれば、「会場は熱気に包まれ、人流は寄せては返す如く」だったという。香港クーロン湾国際展示貿易センターは香港でも繁華街の一つ、つまり地価は高い。
地価は高くても、最初は繁華街ど真ん中に出店、最初の流血を挽回できるよう販売が伸びていく、テスラのショールーム戦略がいまだに引き継がれている。各国でも成功事例が多く、ほとんど正式に各社が採用する戦略となっている。
長城汽車のプレスリリースによれば当日、「現地の主要メディア数十社が駆け付け、ORAグッドキャットを高く評価、その独特の新奇性ある造形や、インテリジェント化に対して人々に印象付け、来場者は先を争ってORAグッドキャットとの記念写真に勤しんだ」という。
ORAグッドキャットはどう見てもフォルクスワーゲン・ビートルに似ている。普通に言えばパクリ、よく言えば参考にしたことは間違いない。
それを臆面もなく「独特の新奇性ある造形」と言ってしまうところに、BYDなど同じ民間OEMと比べて、昨今はやや低調な販売成績に沈んでしまっている長城の苦境が現れている可能性がある。
香港・マカオ展開の狙い
マカオではNOVA MallでORAグッドキャットの発表式典が行われた。「同様に、各方面から公表で、現地ユーザーのORAグッドキャットに対する歓迎が示された」としている。
長城汽車は2003年に香港証券取引所に株式を上場、いわゆるH株として現在に至るまで取引されており、もともと香港との関係は深い。長城汽車は今回のORAグッドキャット発表をきっかけに、電動化、インテリジェント化のモビリティ製品により、香港に貢献していきたい、としている。
香港・マカオではインチケープ・ドッドウェルと市場開拓していく。
出典:欧拉好猫正式登陆港澳市场 长城汽车智能新能源版图再扩张!
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