世界のトヨタを猛追。中国が「世界最大の自動車輸出国」になる日
早ければ2023年にも、日本を抜いて世界最大の自動車輸出国になる見通しの中国。日刊で中国の自動車業界情報を届けてくださるメルマガ『CHINA CASE』では今回、中国自動車情報サイト「盖世汽車」の周暁鶯CEOが行った講演をもとに、中国の自動車業界が「トヨタ、VWなどの世界大手」を猛追する構造を解説しています。
中国が日本を抜き世界最大の自動車輸出国へ、早ければ23年にも
中国自動車情報サイト「盖世汽車」の周暁鶯CEOは2023年3月14日、2023年第4回ソフトウェアが自動車を定義する(SDV)フォーラム及びAUTOSAR中国デーで講演、同社のシンクタンク部門の研究結果としての、2030年までの新車販売パワートレイン比率、ADAS及び自動運転車比率などの情報を開示した。
その中で中国は2022年、自動車輸出が311万台に達し、これは2025年には530万台となり、早ければ2023年にも日本を抜き世界最大の自動車輸出国になるとの見通しを示した。
26年にBEVが主流に
それによれば2030年、中国新車販売におけるガソリン車比率は19%にまで低減、その時最大のシェアを誇るのはやはりBEVであり、43%となる。2026年に比率上、BEVがガソリン車を上回ることになる、という。
一方で、今後急拡大するのはフルHEVとPHEVであることもデータから見て取れる。2022年に21%だったBEVは2030年に43%と倍増以上にシェアを拡大しているが、フルHEVは22年の4%から2030年には13%と3倍以上、PHEVは同じく5%から2030年には16%以上とやはり3倍以上拡大している。
それに比べると、現状中国で盛んに新規参入があり、ホットスポットになっているレンジエクステンダー(REEV)は同じく1%から2030年には4%と4倍以上に拡大はしているものの、2030年におけるシェアは引き続き小さい。
中国ではPHEVとREEVのそれぞれの優位性による議論が絶えず、このデータはそこに一石を投じる可能性がある。
中国でさえADASが主流
ADASの浸透状況については、2030年までに新車販売の75%に自動運転レベル2程度のシステムが搭載される見込みであると読む。
一方、それ以上の、より自動運転に近づく自動運転レベル3や、自動運転レベル4/5については、それぞれ6%と3%にとどまり、まだまだ小さな市場となりそうで、中国とは言え、乗用車分野の新車販売において、自動運転が急速に普及することはなく、主流はADASと結論付けるデータになっている。
今回の講演で、周CEOは現状の中国自動車業界を三つのカテゴリに分け、「米テスラ、蔚小理等の純粋な新興勢力」「AION、ZEEKR等の従来中国OEM新ブランド」「トヨタ、VWなどの従来世界大手」とし、新興勢力や従来中国OEM新ブランドがソフトウェア方面に力を入れ、従来世界大手を猛追している構造を示唆した。
出典: https://auto.gasgoo.com/news/202303/14I70333957C108.shtml
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image by: Jenson / Shutterstock.com
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