真犯人はマスゴミだ。WBC優勝も「日本人の野球離れ」が続くワケ

 

先日、3大会ぶり3度目の世界一で幕を閉じたWBCは大盛り上がりでした。3月30日からはプロ野球2023年シーズンも開幕し、WBC効果もあってか例年にも増して注目を集めている気がします。しかし、「残念ながら、日本の野球離れは今後も続く」と話すのは、メルマガ『モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)』の著者でジャーナリストの伊東森さんです。それはなぜなのか? 伊東さんは読売新聞や朝日新聞を始めとする“大手マスコミ”に原因があると解説します。

侍JAPAN優勝でも日本野球人気復活に結び付かない理由。「野球離れ」真犯人はマスゴミだ!

閉幕したWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)は想定以盛り上がり見せたといってよいだろう。そ最大要因は、”漫画超える”ような劇的なプレー連続であったことは間違いない。

準決勝日本-メキシコ戦では日本がサヨナラ勝ち収め、決勝戦では最後アウトがメジャーリーグ代表する大谷とトラウト(共にロサンゼルス・エンゼルスに所属)対決で決まった。

さらに今回はインターネット動画配信普及に伴う世界的な試合放映がなされた。大会は、63社が13言語で試合放映し、実に世界163国と地域で視聴されたという(1)。

試合はテレビやストリーミングで配信。日本では、日本対アメリ決勝戦が水曜日午前8時に始まったにもかかわらず、世帯視聴率42.4%記録。

アメリカでは、大谷が米国代表マイク・トラウト三振に仕留めて優勝決めた瞬間650万6000人が視聴した(2)。

あるいは、日米以外でも、前回大会と比較して、以下国・地域では視聴者数が大幅に伸びた(3)。

  1.  台湾(151%増)
  2.  メキシコ(103%増)
  3.  カナダ(44%増)
  4.  韓国(36%増)
  5.  プエルトリコ(11%増)

目次
・日本プロ野球とメジャーリーグと比較 「人気で勝ち、ビジネスで負けた」
・求められる改革 何が必要か?
・日本野球離れ招く“真犯人” それは「マスゴミ」だ!

日本プロ野球とメジャーリーグと比較 「人気で勝ち、ビジネスで負けた」

しかしながら、こWBCにおける日本代表活躍が、たとえば日本における”野球離れ”抑止に繋がるかというと、首ひねらざ得ない。

それは日本プロ野球とメジャーリーグと比較すると、「人気で勝ち、ビジネスで負けた」といえるからだ。

そもそも前提として、日本における「プロ野球人気」はメジャーリーグと比較しても、相当だ。

メジャーリーグ1試合あたり観客動員数は約2万7000人で、日本プロ野球におけるそれ約2万3000人と大きく変わらない(4)。

野球チーム球団別総動員数でも遜色ない数字だ(5)。

2022シーズン世界プロ野球観客動員(1-30位)

順位 チーム  リーグ  総動員数(人) 試合数    1試合平均
1  ドジャース  MLB   3,861,408    81      47,671
2  カージナルス MLB   3,320,551    81      40,994
3  ヤンキース  MLB   3,136,207    78      40,207
4  ブレーブス  MLB   3,129,931    81      38,641
5  パドレス   MLB   2,991,470    81      36,931
6  阪神     NPB   2,618,626    72      36,370
7  メッツ    MLB   2,564,737    77      33,308
8  アストロズ  MLB   2,688,998    81      33,197
9  ブルージェイズ MLB  2,653,830    81      32,763
10  ロッキーズ   MLB  2,597,428    80      32,467
11  レッドソックス MLB  2,625,089    81      32,408
12  カブス     MLB  2,616,780    81      32,305
13  巨人      NPB  2,318,302    72      32,199
14  ソフトバンク  NPB  2,247,898    72      31,221
15  ジャイアンツ  MLB  2,482,686    81      30,650
16  エンゼルス   MLB  2,457,461    81      30,339
17  ブリュワーズ  MLB  2,412,420    80      30,155
18  マリナーズ   MLB  2,287,267    80      28,590
19  フィリーズ   MLB  2,276,736    80      28,459
20  広島      NPB  1,968,991    71      27,732
22     中日      NPB  1,807,619    71      25,459
22  ナショナルズ  MLB  2,026,401    81      25,017
23  レンジャーズ  MLB  2,011,381    81      24,831
24  DeNA      NPB     1,778,980            71                   24,708
25     ホワイトソックス MLB 1,976,344           80      24,704
26  ヤクルト    NPB  1,614,645    71      22,741
27  ツインズ    MLB  1,801,128    80      225,14
28  ロッテ     NPB  1,468,622    71      206,85
29     オリックス   NPB  1,412,638    71      198,96
30     バックス   MLB  1,605,199    81      198,17

他方、日本プロ野球市場規模は2018年数字で約1800億円であるに対し、メジャーリーグ市場規模は約1兆5000億円。8倍以上に達す

しかしながら、1995年数字は、NPBが約900億円とMLBは1500億円であり、それほど変わらなかった。

差は、日本失われた30年と関係する。ただひたすら日本的価値保守し、改革してこなかった30年と同様だ。

求められる改革 何が必要か?

具体的に日本プロ野球市場規模とメジャーリーグ市場規模がここまで開いた理由は放映権料伸び率にある。メジャーリーグ売り上げうち、半分は放映権料占める(6)。

額、およそ7500億円。アメリカではテレビ局競争が激しく、スポーツ専門チャンネルが視聴率稼げる試合中継高値で買い付けるため、放送権料相場が吊り上った。

他方、「失われた30年」下日本では、プロ野球中継放映権料も上がることはなかった。日本プロ野球に求められる改革策としては、チーム数拡大だろう。

実際、メジャーリーグでも長らく全球団16球団時代が続いた。しかし1961年以降、チーム数拡張が始まり、20球団→24球団→26球団→28球団と増えていき、1998年には、アリゾナとタンパベイに新球団が誕生し現在30球団となった(7)。

つまり、拡大化で誕生した球団は14球団もあり、いまや大リーグ半数近く占めている。

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