13日朝、北朝鮮が日本海に向けて弾道ミサイルを発射した。これにより、政府が「北海道周辺に落下する可能性がある」としてJアラートを発出。後に「落下の可能性がなくなった」と訂正されたが、朝から混乱が相次いだ。
テレビ画面に突然のJアラート
午前7時55分、政府の緊急警報「Jアラート」が出されたことで、恐怖を感じた人も多かっただろう。朝、子どもと一緒にNHK教育番組を観ていた都内在住の男性は言う。
「突然、『ミサイルが北海道に~』という不穏なJアラート画面が出現して驚きましたよ。チャンネルを変えてもどこも同じでした」
独自路線を貫く番組作りがウリのテレビ東京ですらもJアラートを出していたようで、緊急性をより感じることができる。
「しかも、テレ東は画面を棒読みの自動音声が読み上げていて、怖さ倍増でしたね。ここでも独自路線かよ、とちょっと思いましたが(苦笑)」(前出の男性)
5分前に言われてもね……
しかし、「ミサイルが落ちるかも」と警告された北海道に関わりのある人々は、テレビ局の独自路線どころではない。
「高齢の母が北海道に一人で住んでいるので、ミサイルが落ちるかもと思うと怖くて仕方がなかった。けれど、7時55分頃に鳴ったJアラートを見ると「8時頃落下するとみられます」と書いてあって…。その5分でどこに逃げればいいんだよという感じです。その後、誤報となりホッとしたと同時に、政府に怒りを覚えました。本当にミサイルが落ちてきたら国民を守れるのか?いや、本気で守る気があるのか? 疑問ですよ」(30代女性)
ネットには、道民ではないと思われる人からも、この「落下5分前に言われて、どうすればいいのか?」の声が多く上がっていた。外野がそう感じるのだから、避難の必要性があった人々はもっと強く思うことだろう。
Jアラートの誤報は過去にも複数回ある。そのせいか、「どうせ落ちないでしょう」と静観する人も少なくないそうだ。
「これだけ不安を煽られ、結果的に何もないと『ああ、またか』と思うのは当然です。今日のJアラートもどうせ誤報だろうなと」(20代男性)
「今回も日本の領域外に落下したようですね。どこに落ちるかもわかっていない政府が出すアラートを信用しろと言われても無理がありますよ」(30代男性)
本当に落ちてきたとき、Jアラートは役に立つのか
だが、今のままで心配なのは「本当に落ちてきたとき」である。今日のように5分前に言われても困るし、「どうせ誤報だろ」と舐めてかかったときに落ちてきても大変だ。
松野博一官房長官は記者会見で、「Jアラートの役割に鑑みれば、発出判断そのものは適切だったと考えている」と述べた。
「国民を守るために出したのであれば仕方がない」といった意見もあるようだが、度重なる誤報でJアラートに対する国民の信頼が失われているのも事実だ。政府のJアラートがオオカミ少年にならないことを願うばかりだ(もうなっているとの指摘も多数アリ)。