日本で話題沸騰のChatGPTですが、中国では「アリババ版ChatGPT」が搭載された自動車システムが発表されました。今回、中国の自動車業界情報を届けているメルマガ『CHINA CASE』で詳しく紹介しています。「アリババ版ChatGPT」は、自動車の新時代を作れるのでしょうか?
アリババ版ChatGPT「通義千問」を搭載した自動車システム発表
アリババ系の車載システム斑馬智行(Banma)は2023年4月18日、上海モーターショーで、Banmaも車載用として使用している、アリババのOS「AliOS」に、最近発表したアリババ版ChatGPT「通義千問」を組み込み、「ユーザーが自動車を定義する」という理念の下、第三世代の車載AI能力体型「Banma Co-Pilot」を発表した。
関連技術はまず、上汽集団とアリババが進めるハイエンドBEV「智己(IM)」から採用されていくという。
車と大規模モデル
発表会で同社の張春暉CEOは、「大規模モデルがAI時代を切り開き、すべての産業を再構築されていく中で、現代の自動車こそ、大規模モデルの最大のインタラクティブな応用シチュエーションであり、インテリジェント・ヴィークルのOSもまた、再構築が進むことになる」とした。
また、「自動車は消費インターネットと産業インターネットのちょうど交わる中間の製品であり、個性化と社会的な属性を備え、多くのセンサーがあり、多くのデータを生む。今後の自動車は単純な交通ツールではなく、移動空間だ」とし、自動車内における大規模モデル活用の可能性を示した。
具体的に車内で「通義千問」がどう生かされるのか、現時点でははっきりしないが、感情のあるデジタル・ヒューマンとのインタラクティブ、開放的かつ豊富なサービス・エコシステム、コンテンツの知能的生成及び表現方法などの全く新たな体験を創造する、としている。
Banmaの経歴と今後
Banmaは2016年、「こんにちは、Banma」で人と車の音声認識の元年を切り開いた。その後、アリババのシンクタンク部門である達摩院(The Academy for Discovery, Adventure, Momentum and Outlook,Alibaba DAMO Academy)、アリババ共通AIアシスタント・スピーカー「天猫精霊(T-mall Genie)」と連携した第二世代システムを発表した。
この第二世代システムは2021年7月に発表されたAIプラットフォーム「天瀑」のことと思われる。今回それらを基盤として「通義千問」を搭載、第三世代の「Banma Co-Pilot」となった。
それは、シチュエーションのカスタマイズ化、多元的なデータ、専門知識、サービスへの接続、行為予測などのコア能力を備え、個性的な体験を実現する宝箱となって、「ユーザーが自動車を定義する」新時代を切り開くことになるという。
出典: https://mp.weixin.qq.com/s/hycT-7RlHz7Aw5bqAq1F-g
この記事の著者・CHINA CASEさんのメルマガ
初月無料で読む
image by: Shutterstock.com