小学生がカフェをガブ飲みの異常。恐ろしい学歴社会を生きる韓国の子供たち

 

自ら覚醒剤に手を出す韓国の中高生も

こうした背景があったからこそ、今回の事件が成り立ったのでしょう、江南地区の学習塾がひしめくエリアで、集中力や記憶力が向上するドリンクの試飲会として、牛乳に覚醒剤の一種を混入した飲料が犯人グループによって高校生らに配られたのです。そのドリンクのボトルには、「メガADHD」と書かれていました。

小学生の頃からカフェインを毎日摂取し、睡眠時間を削って勉強して競争し続け、カフェインでは物足りず、高校生になったら勉強のために向精神薬を摂取する。そんな必死に日々勉強している子どもたちに目をつけた、許しがたい犯罪です。

さらには、近年では覚醒剤に手を出す若者が増えているといいます。14歳の女子中学生が覚醒剤を購入したことが発覚したり、売人だった高校生が逮捕された事件もありました。

高校生に覚醒剤入り“牛乳” 保護者に脅迫電話 韓国が“震撼”…薬物はピザ1枚と同価格、高校生の売人も 背景に学歴至上主義

報道によれば、「韓国の法相は『麻薬の単価が極端に言えば、ピザ1枚の価格まで下がった』として、若者が麻薬を入手しやすい現状に危機感を強めている」とのことです。

若者の間での覚醒剤の広がりも、過度な学歴至上主義と関係があるかもしれません。子どもたちの努力も日々の犠牲も、何とも思っていない犯人は、子どもたちに覚醒剤を摂取させ、それをネタに両親をゆすろうとしたというのが事件の顛末です。

もちろん、犯人グループのうちの何人かはすでに逮捕されています。以下、報道を一部引用します。

実はこのグループは、飲料を渡す際に、アンケート調査を口実に保護者の連絡先を聞き出していた。

 

そして、生徒がドリンクを飲んだ後、保護者に対し「あなたの子どもが覚醒剤を服用したから、現金(約1,000万円)を送らなければ警察に通報する」といった内容の脅迫電話を掛けていたのだ。つまり、金を脅し取ろうとした犯行だった。

 

さらに警察が捜査を進めたところ、脅迫電話は韓国からの発信に見せかけて、実際は中国からかけられていたことが判明した。警察は「中国に拠点を置く韓国の特殊詐欺組織が、犯罪の成功率を高めるため、覚醒剤を使用した新手の犯罪を考案した」とみている。

高校生に覚醒剤入り“牛乳” 保護者に脅迫電話 韓国が“震撼”…薬物はピザ1枚と同価格、高校生の売人も 背景に学歴至上主義

熾烈な受験戦争は、韓国を筆頭に、中国、日本、台湾などの東アジアではお馴染みの光景です。日本でも、少子化が進んでいる一方で、中学受験者数は増加の一途を辿っています。

このメルマガでもかつてご紹介しましたが、日本の中学受験のリアルを描いた小説『翼の翼』(朝比奈あすか、光文社)は、中学受験世代の子どもを持つ親の間で流行しました。

また、台湾では、大学受験を控えた高校生の家庭教師として長年活躍してきた著者が、その壮絶な経験を記した小説「你的孩子不是你的孩子」がヒットしドラマ化され、日本でも翻訳されました(邦題『子供はあなたの所有物じゃない』光文社)。

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