さて、現在に戻って、不法移民への寛容な政策に対して怒っているのは白人だけではありません。
合法的に米国市民になった多くの移民も怒っているのです。合法移民になるためには、本当に多くの書類の提出や面接審査が必要だったからです。
このメルマガでは何度も繰り返していますが、米国の政治の動き、国民感情には不法移民の問題が大きくかかわっています。
「トランプが紳士でないことは知っている、しかし彼の看板政策である国境管理には強く同意する」というアメリカ人は多いのです。
問題は「トランプの人格」への批判と「トランプの政策」への批判をごっちゃにしているマスコミや人が多い事です。
「トランプ憎し」が強すぎて、彼の看板政策までも否定して内容を報道しないのです。
しかし国境管理はあまりにもまっとうな主張なので、バイデン大統領のように修正せざるをえません。
報道は曖昧になります。それこそがアメリカを二分化する元凶です。
蛇足ですが、テキサス州のアボット知事、タイトル42解除の前日にもカマラ・ハリス副大統領の自宅の前に不法移民をバスで送り込みました。
(カマラ・ハリス副大統領は不法移民の擁護派でありながら、彼らがひどい状態に置かれている国境を長く視察せずに批判されていました。)
派手な演出です。そこまでしてテキサス州の不法移民の現状と怒りをマスコミに取り上げてほしいのです。
しかしこのような事をアメリカの大手マスコミ(ほとんど左派)が取り上げる事は少ないです。多くの共和党系のアメリカ人はこれを知っていて呆れています。大手マスコミを信じていません。
日本のマスコミは単に取り上げません。で、トランプへ投票した米国人は騙されているのだと報道しつづけています。
いずれにしても、今から大統領選までの1年半で米国国境でどういった騒動がおこるか、または、おこらないが、来年の大統領選挙にダイレクトに影響します。 (この記事はメルマガ『在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』5月14日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はこの機会に初月無料のお試し購読をご登録ください)
社会の分断化を推し進める「バランスを欠いた報道」を見極めるために
メルマガ『在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』 では、在米14年の経験と起業家としての視線、そして大学教授という立場から、世界で起きているさまざまなニュースを多角的な視点で分析。そして各種マスコミによる「印象操作」に惑わされないためのポイントを解説しています。5月中であれば、5月配信分のメルマガ全てが「初月無料」でお読みいただけます。この機会にぜひご登録ください。
月額:¥330(税込)/月
発行日:毎週 日曜日(年末年始を除く)
形式:PC・携帯向け/テキスト・HTML形式
この記事の著者・大澤裕さんのメルマガ
image by: David Peinado Romero / Shutterstock.com