関係者は「あの『女性セブン』記事が原因」と指摘。市川猿之助事件はなぜ起きたのか?

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世間に衝撃を与えた市川猿之助さんの「自殺未遂」報道と、両親の死亡報道。一体彼の一家に何があったのでしょうか? 芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんが、自身の経験や関係者の証言から推測する「自殺未遂」の理由を語ります。

関係者は『女性セブン』の記事が原因と指摘

市川猿之助さん緊急救急搬送と御両親ともに死亡のニュースには本当に驚きました。

叔父(現・猿翁)から4代目としての名跡を引き継ぎ、歌舞伎界以外にも活躍の場を広げていた猿之助さんに何が起きたのでしょう…。

テレビの報道番組やワイドショーで猿之助さんの自宅周辺がヘリコプターからのカメラで映し出されると、遠い昔にこの近くにある音楽の振興を目的に設立された財団法人に、私が取材した記事がお気に召さなかったのか度々呼び出されたことを思い出してしまいました。

トボトボと歩く帰り道、大鳥神社でよく手を合わせたことも思い出します…2度と呼び出しがありませんように、と。

関係者たちは当日発売された『女性セブン』の記事が原因だと指摘しています。

猿之助さんが“師匠と弟子、座長と役者・裏方という絶対的立場を利用して、普段から濃厚なセクハラ、パワハラが横行していた”という記事です。

3月7日に『BBC』が放映したドキュメンタリーをきっかけに、事務所社長の謝罪動画まで配信されることになったジャニーズ事務所の騒動に続いてです。

『女性セブン』の証言者たちが正しければ、弱者の“黙って我慢するしかない”という現状がまたひとつ…です。

数年程前、私は梨園関係者にどうして猿之助さんには浮いた話がないのかを取材したことがありました。

知ってか知らずかこの関係者は話をはぐらかすだけで、結局この答えは解らず仕舞い、核心に迫る事はできませんでした。

伝聞や憶測で作り上げた週刊誌の記事で、大名跡『澤瀉屋』の看板に泥を塗るような行為をすることはないのに…そうお思いの方も多くいらっしゃると思います。

あの人気俳優のときは間に合わなかった…一命を取りとめたのは幸運

40年近くになる芸能記者の私はこの手のスキャンダルを取材しているといつも感じる事があります。

猿之助さんのような生まれつきプライドの高い世界で生きてきてこられた方には、たかが週刊誌の記事といっても、自らのイメージを傷付けられたということが、生理的にどうしても許せない…我慢できないということが言えると思います。

プライドが高い人間に限って、神経が繊細…敏感過ぎるのです。

猿之助さんは自らの肉体を傷付けることで、その潔白をアピールしたかったのかもしれません。

猿之助さんにとって良かったのか悪かったのかはわかりませんが、今回の対応は朝10時15分に迎えに来た2人のマネージャーが迅速機敏に119番通報したことで猿之助さんの命を取り留めることになりました。

数年前にやはり人気俳優が収録現場に現れず、マネージャーが迎えに行くと…という出来事がありましたが、この時は取り返しのつかない結果となってしまいました。

亡くなったという悲しい事実は、今更蒸し返しても当人が蘇るわけではないのでどうしようもない事ではあるのですが、このとき現場に駆け付けた救急隊が“もう少し早ければ命を救えたかもしれない…”と漏らしていたことを考えると猿之助さん自身は辛いかもしれませんが尊い命を救えたことは賞賛されるべき対応だったと思います。

 

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