G7の倍の力を持つBRICS+に殺到する加盟申請
それに代わって世界の問題を議論する場として重みを増しているのはBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの頭文字)である。米ゴールドマン・サックスの経済学者ジム・オニールが伯露印中の4カ国を勢いのある新興国の代表格としてBRICsと呼んだのが始まりで、2009年に初めて首脳会議を開き、11年からアフリカ大陸代表として南アフリカが加わったため、複数形の意味だったが南アを表す大文字に変わり、BRICSとなった。
今年の議長国は南アで、6月1日にケープタウンで開かれた外相会議では、南ア側から13カ国から正式の加盟申請があり、それ以外にも6カ国から非公式の打診がある旨が明かされ、8月の首脳会議までに加盟国拡大の指針を固めることで合意された。どのような国が加盟を望んでいるかは未公表だが、中東・アフリカではイラン、サウジアラビア、エジプト、トルコなど、アフリカではナイジェリア、セネガル、中南米ではアルゼンチン、メキシコ、アジアではインドネシア、タイ、バングラデシュ、カザフスタンなどの名が取り沙汰されている(下記の表1の「BRICS+」欄の○印を参照)。
※ 表1
2023年の予測では、名目GDPではG7合計と「BRICS+」の世界シェアは共に43%前後で並んでいるが、PPP(購買力平価)GDPでは大雑把に30%対60%と、すでにBRICS+が倍の力を持っている。
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