アジフライの「聖地」として君臨した長崎県松浦市は何を仕掛けたのか

deep-fried horse mackerel
 

まずは、市内の飲食店に声をかけ、アジフライの提供をお願いしました。

結果、現在35店が賛同してくれています。

また、オリジナルグッズを販売したり、PRソングを作ったり。

広報誌、プロモーション動画、日本各地でのイベント開催により、積極的にアピールもしていきました。

「アジフライ憲章」を作り、関係者や市民の意識向上も図っています。

松浦アジフライ憲章

一、私たちは、松浦アジフライをこよなく愛しています
一、私たちは、松浦市で水揚げされたアジ又は松浦市周辺海域で漁獲されたアジを使用します
一、私たちは、ノンフローズン又はワンフローズンで提供します
一、私たちは、おもてなしの心で松浦アジフライを提供します
一、私たちは、できるだけ揚げたてアツアツを提供します
一、私たちは、松浦のアジフライのおいしさを深く追求します
一、私たちは、松浦アジフライのおいしさを広く伝播します
一、私たちは、松浦アジフライの振興を通して世界平和を願います

制定 平成31年4月27日
アジフライの聖地松浦連携店一同

こうした活動が広く知られるようになり、広報誌は「日本地域情報コンテンツ大賞」の大賞を受賞。

さらに、活動は「長崎県ツーリズムアワード」のグランプリも受賞。

瞬く間にアジフライの聖地として知られるようになり、観光客は増加し、地元のお店のアジフライは、宣言前の5倍も売れるようになりました。

冷凍のアジフライにも人気が出て、地元水産加工会社もアジフライ専用工場を作ったほどです。

市内の消費量も増加。アメリカ・香港にも輸出するように。

アジそのものの美味しさも知られるようになり、全国47都道府県の1,000以上の事業者で扱われるようになりました。

アジフライをキッカケに、地元の観光や産業が盛り上がり、町おこしは見事に成功したと言えます。

今後は、「アジフライと言えば、松浦市」を守り続けるために、飽きられないような刺激策を打ち続けることが必要になります。

これだけ、積極的に本気で取り組んだ地域なので、何か面白いことをやってくれると期待しています。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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