私達の身近なメニュー「アジフライ」が現在話題になっているのをご存知でしょうか?都内でもアジフライ専門店ができ、連日行列のできるお店もあるのだとか。今回のメルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では、著者の佐藤きよあきさんが、 アジフライ人気に火をつけ、自らの町おこしにも成功した長崎県松浦市のマーケティングを分析しています。
“アジフライで町おこし”が大成功!! 地域活性化のモデルとなるか?
いま東京では、アジフライを食べさせるお店が増えています。
専門店も多くあり、連日行列ができていたりします。
なぜ、いまアジフライ人気が上昇してきたのでしょうか。
これまで、町の食堂でよく見かけるものではありましたが、特に注目されるわけではなく、どちらかと言えば、地味な存在でした。
ところが、千葉や神奈川など、アジの産地で食べられるアジフライが、テレビで取り上げられるようになりました。
ご当地グルメとして、紹介される機会が増えたのです。
そこに映し出されるのは、アジフライを美味しそうに食べる人たち。
その幸せそうな笑顔に、観る人は刺激され、わざわざアジフライを食べに行く人が増えたのです。
ただし、このことがアジフライ人気の導火線に火をつけたわけではありません。
ことの発端は、2019年。長崎県松浦市の「アジフライの聖地宣言」にあります。
松浦市は、アジの水揚げ量が日本一。
このことを町おこしのテーマにしようと、市長が号令をかけたのが始まりです。
しかし、アジ推しではインパクトが弱いので、アジ料理の代表格であるアジフライに目をつけたのです。
日本全国で食べられ、しかも庶民派な食べもの。
親しみのあるこの存在をシンボルに据えれば、人びとが興味を持つだろうと踏んだのです。
千葉や神奈川でアジフライに行列ができている映像は、世間的にも知られていたので、きっと注目度は高くなると考えたのです。
松浦市で水揚げされるアジの味には自信があったので、アジフライを推せば、人びとがやって来ることを確信していたのです。