上司から「2時間説教される」という会社員が取るべき“退職”以外の行動

Scolded businessmanScolded businessman
 

職場でパワハラに遭っている人に対して「会社を辞めなよ」と言うのは簡単ですが、それぞれに事情があり、すんなり「辞めます」とはいかないものです。「退職」以外に取るべき最善の行動は何なのでしょう?メルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』著者で、世界的なコンサルティング会社マッキンゼーで14年間もの勤務経験を持つ、ブレークスルーパートナーズ株式会社マネージングディレクターの赤羽雄二さんは、労働基準監督署に相談することを勧めています。

上司がねちねちと説教をし、毎日2時間くらい小言を言われています。上司の上司に相談していいものでしょうか。もう耐えられません

Question

shitumon

上司が私のミスに対してねちねちと説教をし、毎日2時間くらい小言を言われています。ミスと言っても、私の経験・スキルからは起きうるレベルのものも徹底的にやられます。私は弁解するつもりは全然ないのですが、「お前はすぐに言い訳する。言い訳しか考えていないのか」と罵倒し続けます。「もっと先に質問しろ、確認しろ」と言いつつ、質問しようとすると「そんな初歩的なこともわからないのか。今まで何をしてきたんだ」と罵倒されます。半年以上これが続いていて、もう壊れそうです。上司の上司は人の話を聞いてくれるタイプの人なので、相談したいと思いますが、相談しても大丈夫でしょうか。もう1日も耐えられない気持ちです。

 

 

赤羽さんからの回答

ご相談どうもありがとうございます。大変残念な上司ですね。間違いなくパワハラだと言うしかありません。ただ、上司の上司がそれを放置しているわけで、相談してもどうなるかはかなり微妙です。

まず、はっきりさせておくべきは、上司がやっているのはパワハラか、それとも教育的指導か、ということです。上司は後者だと思ってやっていますが、もちろんそんなわけはありません。毎日2時間も小言を言う必要など全くありませんから。

「お前はすぐに言い訳する。言い訳しか考えていないのか」と罵倒し続けるのが本当ならば、そこに正当性はありません。毎日、何時何分から何時何分までこのような罵倒が続いているのかは必ずメモを取っておいてください。

また、「もっと先に質問しろ、確認しろ」と言いつつ、質問しようとすると「そんな初歩的なこともわからないのか。今まで何をしてきたんだ」と罵倒するのは、ダブルバインドと言われます。質問しても、質問しなくても責め立てられる、という状況で、被害者(まさに被害者です)は身動きが取れなくなります。

人はこのような状況に長くおかれるとうつ病になったり、適応障害になったりしますので、自分で自分の身を守る必要があります。

少なくとも上司の上司はあまり適切な相談相手ではなさそうです。部下の部下が文句を言ってきたと取ったり、少し手加減するよう(加害者の)部下に指示をして逆に問題を大きくしたりしがちなタイプだからです。

会社には、パワハラ相談部署があると思いますが、そこに相談すると上司に問合せがすぐ行き、「チクったのはお前だろうと」とさらに叩かれるという恐れが否定できません。なので、うかつに相談はできません。

それよりも、労働基準監督署3カ所に匿名で電話をし、事情を示してどのように動くべきかのヒントをもらってください。匿名であれば気兼ねなく話せます。3カ所に電話する理由は、そうすれば少なくとも1人か2人は親身になって話をしてくれるので、これ以上心が折れる心配があまりないためです。

電話してみると、自分を責めていた気持ちが間違いで、しかもそのように思わされていたことにも気づきます。上司の言動はパワハラの定義そのもので、自分が半ば洗脳されかかっていたことにも気づきます。

リモートワークなら明日にでも、出社している場合でも、お昼休みなどに思い切ってかけてくださいね。近くではなく東京や大阪など離れたところの労働基準監督署がお勧めです。

友人や、信頼できると思っていた人に思い切って相談しても「思い過ごしじゃないのか」「もう少し我慢してみたらどうだ?」「その人にもいいところがあるはずだろう。そこを見るようにしてみたらどうだ?」というふうに言われることが多く、逆に傷ついてしまいますので、あまりお勧めではありません。きちんと受けとめてくれる方ならいいのですが。

この記事の著者・赤羽雄二さんのメルマガ

初月無料で読む

image by: Shutterstock.com

赤羽雄二 この著者の記事一覧

ブレークスルーパートナーズ株式会社マネージングディレクター 東大工学部卒業後、コマツにてダンプトラックの開発に携わる。スタンフォード大学大学院に留学し機械工学修士、修士上級課程を修了後、マッキンゼーに入社。ソウルオフィスをゼロから立ち上げるなど、14年間活躍。その後、ブレークスルーパートナーズ株式会社を共同創業し、ベンチャー共同創業・経営支援、大企業の経営改革、経営幹部育成、新事業創出に取り組む。韓国、シンガポール、インド、ベトナムなどの企業を支援。 著書に 『ゼロ秒思考』 『速さは全てを解決する』 『瞬時に切り返す会話術』 『自己満足ではない「徹底的に聞く」技術』 など、国内24冊、海外23冊。合計113万部超。 内外での講演多数。東京大学、早稲田大学、電気通信大学、北陸先端科学技術大学院大学講師。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料お試し登録はこちらから  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」 』

【著者】 赤羽雄二 【月額】 ¥880/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎週 月曜日

print
いま読まれてます

  • 上司から「2時間説教される」という会社員が取るべき“退職”以外の行動
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け