ウクライナの状況
現在の戦況を西側諸国の当局者らは、ウ軍の反転攻勢は初期段階においてはさほど成功しておらず、ロ軍は西側の予想を上回る能力を示しているとの見方を示した。
ゼレンスキー大統領も、反攻の進展が「望んでいたよりも遅い」ことを認めたが、「反攻をハリウッド映画のように考え、すぐに結果を期待する人がいるが、そういうものではない」と指摘。このままゆっくりと攻勢を続けるとした。
ウ軍シルスキー将軍も、「誰もが即座に、そして一度に偉大な勝利を収めたいと思っている。我々もそうだ。しかし、このプロセスには時間がかかることを覚悟しなければならない。なぜなら、両陣営には多くの戦力が集結し、多くの資材があり、多くの障害物が設けられているからだ。われわれの主力部隊はまだ戦闘に参加しておらず、今は敵の防衛網の弱いところを探っているところだ」と述べたが、この状況なのであろう。
前哨陣地にロ軍は後方にいるべき予備兵力を使い、ウ軍の前進を止めているので、そのうちに予備兵がなくなり、どこかで穴が開くことになる。その上、ロシア国内でクーデターが発生している。
その状況で、ウクライナの復興について議論する「ウクライナ復興会議」が6月21~22日、ロンドンであったが、参加国から表明されたウクライナ支援は総額600億ドル(8兆5,700億円)に達したという。
この他にロシア資産凍結で差し押さえた資金がウクライナ復興に充当されることになる。こちらは、50兆円以上の規模になる。
戦後を見据えた計画を作る段階になっている。
ブダノフ情報局長は、ロシア内工作員を使って、ワグナー軍との関係を構築していた可能性がある。ウ軍とワグナー軍は一回ロ軍抜きの被拘束者交換をしているので、独自チャンネルは確立していたようだ。
ブダノフ氏は、現在のロシアの情勢につき「私はそれをゲームだとか、見せ物だとか、フェイクだとは呼ばない。それは全くもってそういうものではない。それは完全に現実的な対立であり、彼らもそれを隠していない。プリゴジンは、より多くの真実を語っている。ロ国防省はより多くの嘘を語っている。それは真実対嘘の対決なのだ」と発言した。
どうも、ワグナー軍の動きは、ウ軍のドニプロ川渡河作戦と連動している。偶然同じ時期ではない。ブダノフが仕掛けたようなきがする。ワグナー軍がスティンガーミサイルを大量に持っているが、それをブダノフ氏が提供した可能性を感じる。
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