プーチン激怒。トルコの盟友エルドアンが突如見せた「3つの裏切り」

?stanbul,,Turkey,/,Turkey,-,04.12.2009:,Republic,Of,Turkey,Prime
 

数少ない「プーチンの理解者」の一人として数えられてきたトルコのエルドアン大統領。そんな彼がここに来て、プーチン大統領と敵対するかのような行動を取り続けています。今回の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』では国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんが、エルドアン氏が見せた「プーチン氏への3つの裏切り」の内容を詳しく紹介。その上で、なぜ彼が盟友を見限るに至ったのかについて解説しています。

エルドアンは【親友プーチン】を【3度裏切る】

今回のウクライナ戦争で、大活躍している男といえば、トルコのエルドアン大統領でしょう。欧米では、「独裁者」と評判が悪い。しかし事実として、エルドアンは、国連、ウクライナ、ロシアの仲介をし、「穀物合意」を成立させました。

これは、何でしょうか?

ロシアは小麦輸出量、世界一。ウクライナは、世界5位。戦争がはじまると、ロシアが黒海を封鎖した。それで、ウクライナは小麦輸出ができなくなったのです。結果、穀物価格が世界的に高騰しました。それだけでなく、アフリカや中東の一部の国では食糧危機が起こった。エルドアンは、国連、ウクライナ、ロシアをまきこんで、2022年7月、「穀物合意」を成立させたのです。

エルドアンは、ウクライナにとっても、ロシアにとっても「いいトルコ大統領」です。彼が5月の大統領選挙で再選すると、ゼレンスキーもプーチンも祝意を示しました。そして、それはおそらく、「心からの祝意」でした。なぜ、エルドアンは、対立するゼレンスキー、プーチンの両者から愛されているのでしょうか?

ウクライナの恩人エルドアン

ゼレンスキーにとって、彼は穀物合意の恩人です。これで、小麦を輸出して外貨を得ることができるようになった。

さらに、無人機バイラクタルの件でも恩人です。戦争がはじまった時、ロシア国営メディアは、「3日でキーウを陥落させる」とはしゃいでいました。長い戦車の行列が、キーウに進軍していった。ところが、ロシアはキーウの戦いで大敗北を喫し、以後東部ルガンスク、ドネツクに主戦場が移っていきます。なぜ、ウクライナは、キーウでロシア軍を撃退できたのでしょうか?

二つの武器の存在が注目されました。一つは、携行式対戦車ミサイル「ジャベリン」。これがあれば、女性一人でも、戦車を破壊することができる。もう一つは、トルコ製無人機「バイラクタル」です。ロシアの戦車を破壊しまくりました。

喜んだウクライナ人は、「バイラクタルを称える歌」を作り感謝したのです。

Байрактар. Фольклорний гурт “Святовид”

さらに重要なことに、トルコは、バイラクタルをロシアに輸出していません。ロシアは仕方なく、イランから無人機を輸入しています。というわけで、エルドアンは、「ウクライナの友達」なのです。

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