10月解散総選挙は確実に。岸田外遊にスポンサー企業40社同行が意味するもの

 

「国民への気配りパフォーマンス」も再開

そして、解散総選挙が近いということは、帰国した岸田首相が次にやることは、しばらくホッタラカシにしていた「国民への気配りパフォーマンス」だと予想しました。すると、あたしの予想はビンゴでした。帰国翌日の20日、松野博一官房長官は会見で、「明日21日、岸田総理が栃木県足利市の障害者支援施設を訪れ、車座対話を実施する」と発表したのです。

岸田首相は、この視察を皮切りに、豪雨被災地である福岡を始め、鳥取、群馬などを巡り、ここのところトンと耳にしなくなった「車座」の対話で、各地の人々から現場を声を聞き、国民の声に沿った政策を力強く進めるなどと述べました。あまりにも「選挙用パフォーマンス」だということが見え見えですが、岸田首相がこの全国行脚を決めたのは6月のことでした。

本来なら5月の「G7広島サミット」を成功させ、支持率が急増した6月に解散総選挙に打って出る作戦でした。しかし、首相政務官をつとめる息子、翔太郎氏の官邸でのドンチャン騒ぎが報じられた上に、マイナンバートラブルに対する河野太郎デジタル相の対応の悪さが国民の反感を買い、内閣支持率は急落。これではとても解散総選挙など行なえません。そこで岸田首相は解散総選挙の日程を先送りして、支持率回復のために「夏には全国行脚をして国民の声を聞いてまわる」などと述べたのです。

つまり、21日からの全国行脚は、6月から予定されていたものというわけですが、こんな口約束、アレコレと理由を付けて反故にしても良いのですから、きちんと守ったと言うことは、スポンサー企業を引き連れた中東歴訪とも相まって、「迫り来る解散総選挙」を示唆していることになります。そして、もう1つ、10月の解散総選挙を予見させる動きがあるのです。

安倍元首相の時は、選挙が近くなると、自民党の各候補者の重要な「マンパワー」として、祖父の代から癒着している旧統一教会との選挙協力や組織票の割り振りなどが行なわれて来ました。たとえば、旧統一教会の機関紙である月刊「世界思想」では、安倍政権下での解散総選挙が近くなると、安倍元首相の政策を褒め称え、野党を批判する記事を特集して来ました。

安倍元首相が数々の疑惑から逃げるために、北朝鮮の脅威を煽って強引に解散総選挙に突入した2017年、選挙直前の「世界思想」では「大儀なき解散だ」とする野党を厳しく批判し、選挙後の「世界思想」では支援者と笑顔でハイタッチする安倍元首相の画像が表紙を飾り、「さあ改憲だ」と息巻いています。まるで「安倍元首相のファンクラブの会報」のようでした。

しかし、現在の岸田首相の場合は、旧統一教会の韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁から「岸田を連れて来て教育しろ」などと呼び捨てでイチャモンをつけられる始末なので、もう、旧統一教会とは手を切ったのか?…と思ったのも束の間、実際は、自民党の国会議員のうち少なくとも180人以上が「過去に関係があった」と証言した昨年9月から、自民党と旧統一教会との癒着は何ひとつ変わっていなかったのです。

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