核のゴミを「永久」貯蔵する羽目に。山口県上関町の核燃料中間貯蔵施設プランは何がヤバいか?

 

「地層処分」に適した土地を見つけるのはほぼ不可能な日本

オンカロのようなやり方を地層処分という。いまの科学技術では、これしか核のゴミを最終処分する方法はない。ところが、地層処分には重要な前提がある。地層が安定していることが必要だ。

火山があり、活断層が分布し、プレートがぶつかり合う日本列島は、地震がいつ、どこで起きても不思議ではない。地層処分に適した土地を見つけるのはほぼ不可能だろう。だいいち、どこの自治体がその施設を受け入れるだろうか。

いつまでも適地が見つからなければ、中間貯蔵施設や原発の施設内、あるいは再処理施設に使用済み核燃料や核廃棄物を貯め続けるしかないが、これもいつかは限界がくる。つまるところ、原発の運転をやめるほか根本対策はないのだ。

未曾有の原発事故を経験し、その恐ろしさをどこよりも知っているはずの国が、いったんすべての原発の運転を停止してさえ電力を賄えたというのに、あえて再び、原発依存を復活させようとする。そのために、やれ再処理だ、中間貯蔵だと、地域住民の生活を脅かすことも顧みずにあくせくする。

原発利権の呪縛を解き、「脱原発」をすれば、少なくとも今以上に核のゴミが増え続けることはないはずだ。無駄なことに莫大なエネルギーを注ぎ込んでいるような気がしてならない。

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