北公次はこのように語っている。
「正直言って我慢しなくちゃいけないという雰囲気に作られちゃって、この人の言うことを聞かないと、デビューできないな。実際にデビューさせてやるっていうことを聞いていましたから、この人の言うことを、ジャニーのいう事を聞かないと、デビューできないと思っていましたから」
話はジャニー氏とメリー氏の問題にも及んだ。
「一番ジャニーに考えてもらいたいことは、メリーにも考えてもらいたいことは、20年間まだ同じことを繰り返しているってこと。僕はそれを言いたい」
「騙すのはよくねえっつんだよ。子どもだけじゃなくて親までも騙してさ。俺が告白しなかったらどうなる?やめろよ、もう。繰り返しはやめろよ!」
この表情と言葉を見ていて、ストレートに彼の思いが伝わってきた。
「これから新しく生まれる、未来ある若手の若い子がまた同じ目にあって、それも親も知らずに、ジャニーズ事務所だから安全だとか、そういうことは絶対ありませんから。それだけは言っておきます」
これを34年前、すべてのマスメディアがスルーしたのだ。時代というのは恐ろしい。
最も重要なのは、自分自身を尊重し、自分の境界を守ることだ。そして、声を上げること。スマホがあるこの時代にはひとりの悩みの風通しはグンとよくなるはずだ。
他人に対しては尊重と理解を示す一方で、自分自身の権利を守るということ。不快な状況に遭遇した場合、相談や支援を受けることができる場所やリソースを探すことを前提にエンタメ業界へ入ることなどだろう。
しかし、忘れてはいけないことがある。この一連のジャニーズ問題の発端はガーシーだということを。
ガーシーの暴露によって34年前に北公次の訴えさえもこの鉄壁にかなわなかったが、一人の男がやってのけた。マスメディアも芸能界も企業も大きく動かした。
釈放されてから、また面白くなることだろう。
(メルマガ『施術家・吉田正幸の「ストレス・スルー術」』2023年9月9日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)
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