実は東山、藤島それぞれ1966年生まれで自分と同い年である。
昭和から平成、そして令和へと駆けてきた日本カルチャーを同時期に体験している感覚的なものの理解だ。尚且つ、東山は母の億を超える借金を抱えて貧乏な時代をエンタメで乗り越えてきた。
もはや、そんなことは今回のジャニー喜多川の性被害にまつわる一件とは全く関係ないことは百も承知なのだが、昔と今の環境の違い、感覚の違いが嫌でもわかってしまうのだ。
ジャニーズ事務所の性被害を全く知らなかったという東山。会見で少しだけ出てきた彼の言葉には納得してしまった。「今のようにiPhoneもなくて自由にやりとりも出来ず、忙しくてまったく関りを持たなかった」
確かにそうなのだ。このスマホのあるなしで環境は全く違った見え方をする。逆に周りが何をやっているのかわからないから突っ走ることができた。
1年ほど前から昭和のドラマをチョコチョコと見ているとつくづく、あの頃は、確かに、そうだった…などというシーンが沢山あるのだ。
そして、苦労して努力して、ある種他人を蹴落として成り上がっていった団塊の世代の次の世代にいる僕らにとっては、「生ぬるいことをやっている奴が悪いんだ」という意識が芽生えやすい。
これは実際に組織化していた自分がもっともよく知っている。
こちらの常識は平成世代の非常識なのだ。
だからこそ、時代の流れに乗っかって価値観やセンスを柔軟にしようという心がけと、大げさかもしれないが訓練も必要になる。1966年生まれの同世代の人たち全員が抱えているかもしれない自分でも気づきにくいこと。
それをこの会見で感じ取った。きっと1966年生まれの昭和感覚がジェリー藤島も東山もどこかにあるはずだ。もうそのあやふやにしていても何も言われない時代は過ぎ去った。立派な「ホワイト化社会」は到来しているのだ。
約40年以上前、渋谷の交差点で坊主頭の少年に車から飛び降りて声をかけたのがジャニー喜多川だという。その坊主頭の少年が東山少年だった。
彼に対して性被害があったのかなかったのかを追求したって、喜多川氏無き今は決して真実が出ることはないのだろう。
もしあったとしても、東山は恐らくそんなことは墓場まで持っていく覚悟だろうから。貧乏な少年を救い、たとえ辱められても母の億の借金を返した恩義は忘れまい。
ある種、自分の背中を見せてきたという東山の後ろにいる成功したジャニーズタレントはパンピーなど入り込めない強靭な精神形態を取得していることは間違いない。
そこを十分に考慮してしっかりと補償をしてもらいたいものだ。
「性加害」は事実を素直に認めて謝罪をして、被害者への補償をしっかりやれば、時間はかかるが、まだ再起の道は残されているだろう。ジャニーズのファンも相当強靭な精神形態なのだから。
60年以上にわたり繰り返されてきたジャニー喜多川による性加害。34年前、元アイドルが被害について語った“告白ビデオ”が最近YouTubeで見られるようになった。映画監督の村西とおるが撮影したらしい。
その元アイドルとは、1967年~78年にかけて一世を風靡したジャニーズタレント「フォーリーブス」。解散から10年後の1988年。メンバーのひとり、北公次だ。
彼はジャニー氏から受けた性被害を赤裸々に綴った告白本を過去に出版している。翌年、ビデオでも被害を訴えていたのだ。それがなぜ今更?と思う。
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