Google日本元社長が深掘りする、9.11米国同時多発テロ「陰謀説」の信憑性

 

米国同時多発テロ陰謀説

米国同時多発テロ陰謀説は、米国内では根強く、そのような視点からの様々な著作が刊行され、映画もいくつか作られています。最近では、来年の米大統領選挙の共和党若手候補として人気上昇中のヴィヴェック・ラマスワミが、「この事件について、米政府は真実を語っていない」と発言しています。

陰謀説には、当時のジョージ・W・ブッシュ政権が、あらかじめアルカイダのテロを察知していたものの、敢えて見逃した、あるいは手助けした、とする説と、ブッシュ政権およびドナルド・ラムズフェルド、ジェブ・ブッシュ(ジョージ・W・ブッシュの弟)、ディック・チェイニー、ジョン・ボルトンなどをメンバーとする「アメリカ新世紀プロジェクト(Project for the New American Century)」と呼ばれるシンクタンクを中心としたネオコン(Neoconservatism、新保守主義)たちの自作自演という説があります。

事件から時を経た現在では、後者の、ブッシュ政権とネオコンによる自作自演説が主流になっているようです。前述のマルコム・ハワードの告白の中でも「新世紀」という作戦名について言及されています。今や米国民の中では、このテロ事件について、アルカイダの犯行という公式見解を鵜呑みにしている人は少なく、確信とまではいかなくとも、懐疑的に受け止めている人が多いようです。

さらには、こんな話もあります。アーロン・ルッソという、ベット・ミドラー主演の『ローズ』(1979年)などで有名になった映画プロデューサーがいました。彼は、『アメリカ:自由からファシズムへ』(America: Freedom to Fascism)というドキュメンタリー映画を作り、FRB(米連邦準備制度理事会)を批判して州知事選挙や大統領選挙にも立候補するなど政治活動にも熱心でした。その彼に、ロックフェラー家出身の友人で外交問題評議会(CFR: Council on Foreign Relations)の上級メンバーでもあったニコラス・ロックフェラーが、同時多発テロが発生する11ヵ月前に「これからある出来事がでっち上げられ、それによって米国はアフガニスタンとイラクに侵攻することになる」ということを話し、彼等の仲間に入るように誘ってきたというのです。

アーロン・ルッソはその誘いを断り、2006年に受けたインタビューで、その時のニコラス・ロックフェラーとの会話の内容をすべて暴露したのですが、そのインタビューが公開されてから半年後に亡くなっています。そのインタビュー映像の一部は、以下のYouTube映像で視聴できます。もちろん、どう受け止めるかは人によるでしょうが、最近のコロナ禍やウクライナ戦争を経た今からあらためて振り返ってみると、一層興味深い内容に思えます。

アーロン・ルッソのインタビュービデオ(1/2)
同(2/2)

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