戦争には口実が必要
いずれにしても、9.11同時多発テロは、米国に、アフガニスタン紛争やその後のイラク戦争の口実を与えることになりました。米政府やネオコンの自作自演が事実だとすれば、似たようなことはベトナム戦争の時にも起きています。また、イラク戦争では、あるとされて侵攻の根拠とされたイラク国内の大量破壊兵器は結局見つかりませんでした。
本メルマガ第11号『Google日本元社長が憂慮。国民に回って来る岸田首相を野放しにした“ツケ”』でも取り上げましたが、米政府が開示した機密情報によると、ジョン・F・ケネディ(JFK)元大統領暗殺の黒幕はCIAであったことが確実とされます。来年の米大統領選挙の民主党候補指名争いに名乗りを上げているJFKの甥のロバート・F・ケネディ・ジュニア(RFKJ)の証言もそれを裏付けています。RFKJによると、伯父のJFKは、CIAや国防総省などが、世界中で絶え間なく戦争を起こし続けてそこに米軍が介入する秘密工作を常にしており、それを毛嫌いしてCIAの解体を模索していたそうです。また、やはりFRBに疑問を呈し、通貨発行権を米政府に取り込もうとしていました。
JFKが暗殺された後、ベトナム戦争に米軍が本格介入する理由となった1964年のトンキン湾事件は、JFKの暗殺で副大統領から大統領に昇格したリンドン・ジョンソン政権の自作自演であったことが明らかになっています。ベトナム戦争の舞台裏を記録した「ペンタゴン・ペーパーズ」を入手したニューヨークタイムズが1971年にスクープしました。なお、ペンタゴン・ペーパーズは、2011年6月に全文が機密指定解除され、一般に公開されています。
残念なことであり、恐ろしいことでもありますが、この世には、戦争をビジネスにしていて戦争から利を得ている人たちが一定数いて、その人たちは権力と繋がって常に戦争のタネを探したり生み出したりしています。もちろん、ロシアのウクライナ侵攻の背後でもこのような人たちが暗躍しています。いろいろな出来事を繋ぎ合わせると、米国同時多発テロの陰謀説には、それなりの信憑性があるのではないかと思います。
オープンソース・インベスティゲーションの勧め
平和ボケしている日本ではあまりピンと来ない話かもしれませんが、足元の日本政府が日々やっていることを見ていても、権力とは、マスメディアやネットも利用しながら、自分たちに都合がいいように国民を騙したり、利用したりするものだということは、我々も常日頃十分に経験していることです。福島原発の処理水の問題にしても、政府は、「印象操作」とか「風評被害」という言葉を好んで多用しますが、自分たちに都合が悪いことにそのようなレッテルを貼るのは、真実や事実を隠そうとする際に使われる常套手段なので、注意が必要です。
世界では日々様々なことが起きていますが、政府の公式見解やマスメディアの報道だけを鵜呑みにしていると簡単に騙されてしまいます。ネット上にも、世論操作のためのフェイクやデマが氾濫していて、それ以上に危険とも言えますが、一方で、マスメディアなどが決して流さない情報を提供してくれる信頼できる情報ソースもグローバルレベルではたくさんあります。「オープンソース・インベスティゲーション」と言いますが、ネット上に公開されている玉石混交のさまざまな情報の中から、信頼できる情報を見つけ出し、それらを地道に繋ぎ合わせて自分なりの仮説を打ち立て、おぼろげながらにも真実を見極めていく努力を意識して続けていくことは、自分や周囲の大切な人たちの命や財産を守る為にも重要なことだと思います。
米国同時多発テロの真相についても、いずれすべてが明らかにされる時は必ず訪れるのではないかと思います。
※本記事は有料メルマガ『『グーグル日本法人元社長 辻野晃一郎のアタマの中』~時代の本質を知る力を身につけよう~』2023年9月15日号の一部抜粋です。興味をお持ちの方はこの機会にご登録ください。
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