上司に頻繁に同じ言葉で叱責され、かつ具体的にどうすればいいのかは教えてもらえない。そうして疲弊してしまった人から、メルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』著者で、世界的なコンサルティング会社マッキンゼーで14年間もの勤務経験を持つ、ブレークスルーパートナーズ株式会社マネージングディレクターの赤羽雄二さんに相談が届きました。
外資系コンサルティング会社に3ヶ月前に転職しました。「考えが浅い」と上司に頻繁に言われ、最初は頑張っていたのですが、辛くて動けなくなってしまいました。指示された資料を作成しても何度も突き返されますし、何を言っても「考えが浅い」という反応なので、頑張る勇気が出ません
Question
メーカーの企画職6年の経験後、外資系コンサルティング会社に3ヶ月前に転職しました。入ったときは自信満々だったのですが、「考えが浅い」とプロジェクトリーダーである上司に頻繁に言われ、行き詰まっています。最初は頑張っていたのですが、もう辛くて辛くて考えることができず、夜も眠れません。指示された資料を作成しても何度も突き返されます。毎月報告会があるので、ほぼ週次で仕上げなければならないのですが、全く追いついていません。何をどう言っても「考えが浅い」という反応で、頑張る勇気すらなくなってしまいました。
赤羽さんからの回答
ご相談どうもありがとうございます。お気持ち大変によくわかります。コンサルティング会社では、「考えが浅い」と言われるのは致命傷で、「お前は頭が悪い」の次に深刻なコメントです。
問題は、じゃあ上司の考えが浅くないのかと言えば、そんなこともないのに、部下に対して解決策を示さずに言いがちだということです。私もマッキンゼーの最初の2年くらいそれに近いコメントをもらったりしました。でも、どうしようもないですよね。じゃあどうすれば考えを深くできるのか、こうすればいいという具体的な助言はありませんでした。
要は、「考えが浅い」という言葉は「悪魔の言葉」で、部下に言ってはいけないものです。
部下のアウトプットが物足りないことは確かにあります。ただその場合、深掘りする質問を2,3してあげてそこで気づかせるのが上司の役目ではないでしょうか。上から目線で嫌みを言わずに助ける方法はいくらでもあります。例えば作成したチャートが不十分ならこうやって描けばいいと改善案をその場で示せば、部下としては感動的です。
他にも、「経営者的視点がない」というのはよく言われました。私のそのときの感想は「そんなことを言ったって、経営者に会ったこともないし、話したこともないし、本を読んだってよくわからないし、無理」というものです。こういう居直りは大変重要だと思いますが、そのときは居直れないですよね。
なので、辛いお気持ちは大変よくわかりますが、上司の問題で、「上司が悪い、自分は悪くない」と考えてください。かなり楽になると思います。
それはそれとして、「考えが浅い」と言われないように、陰で必死に努力することも必要です。
- 上司から指示された場合、数時間以内にアウトプットイメージを作成し、確認する
- 相談できる先輩を数名確保し、方向性についてさっと相談する
- 数時間以内にパワーポイントでドラフト作成して、先輩のインプットをもらう
- 指示後、2日以内に進捗状況を上司に報告する
- 上司からのフィードバックを先輩に共有して、修正の方向制を確認する
要は人の力を借りる、ということですね。遠慮せずやってください。それしかないです。
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