統一教会が韓国への送金資料を文化庁に提出しない裏事情
1980年には経済担当副会長が新設され、教団の変質が進んでいった。さらに内部資料によると1999年からの9年間には約4,900億円が送金されている。『週刊文春』(2011年9月8日号)は、「日本から『4,900億円送金リスト』を独占入手!」という記事でこう書いた。
日本の統一教会から韓国への送金額が書かれた内部資料を入手した。ここには、九九年から約九年間の送金額が、月ごとに記載されている。もっとも多い月は〇〇年の四月で、百九十四億円あまり。年間でみると一番多いのは〇四年で、六百六十九億円が送られている。年平均にすると、約五百七十億円。総額では、この期間だけで約四千九百億円にも達する。
この資金は韓国のどこに送られていたのか。それは文鮮明教祖の夫人である韓鶴子氏が理事長を務めていた「宣教会財団」(当時)だとされていた。
教団を離れた元幹部(分派の3男派)が、韓国への送金は毎月「推計100億円」と何度も語り、文章にもしてきた。しかし『文藝春秋』副島手記も『週刊文春』記事も元幹部証言も、物証として根拠が示されていない。送金資料の現物が写真でも示されていないからだ。『週刊文春』の場合は取材源から止められていたようだが、実際に資料はあった。解散命令請求のひとつの原因になっているにも関わらず、統一教会が韓国への送金資料を文化庁に提出しないのは、それだけ隠しておきたいということでもある。
日本の統一教会は、いったいどれほどの資金を韓国の教団に送り、それは何に使われてきたのだろうか。教団が作成した実際の極秘資料を公開し、霊感商法や高額献金で集められた莫大な資金が、どこに流れていたかを、次号で明らかにする。
(『有田芳生の「酔醒漫録」』2023年9月29日号より一部抜粋)
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